ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

農水捏造 食料自給率向上の罠

農産物輸出の世界シェアわずか0.2%の日本農業はTPP参加で成長する!



農業も「開国と成長」の両立を

 このように農業ビジネスは経済成長と完全に結びついている。国民が貧しくなって、農業が成長するはずがない。農業と他産業を二項対立の概念としてとらえる「農業壊滅論」「農業犠牲論」の両論者がいくら議論しても不毛だ。答えは首相のいう「開国と農業再生」ではない。他産業と同様、農業も「開国と成長」を両立していくしか道はない。

 かつて日本も経済成長によって農産物市場が急増したように、TPP諸国でも同じ現象が起きているのだ。所得増とともに、食べ物の消費が最低限の必需品から自由裁量品へと移行する。スーパーやコンビニが街に立ち並ぶようになり、多彩な加工食品、スナック、デザートの購入機会が充実する。外食や中食、宅配といった食シーンの多様化・高度化も起こる。「食べていくだけで精一杯」の生活から、「好きなものを選んで食べる」「ちょっと贅沢したい」というライフスタイルへの大きな変化だ。さらに先へ進めば、「もっと健康になりたい」「もっと長生きしたい」という要求が生まれる。そうなると今度は、高品質な生鮮野菜や果物、美容やヘルスケアなどの健康を意識した製品の原料となる安全な農産物の需要増につながっていく。

 過去50年間、こうした時代の変化に対応して、日本の農業界はコメの食味を上げ続け、肉、野菜、果物、花などの嗜好品の付加価値生産に成功してきた。日本農業はいうなれば、TPP諸国を含む新興国の現在、未来をすでに先取りしてきた。今からその変化に対応する新興国の農家より、十分な経験と実績を持ち合わせている。日本国内と同様に、日本の農家や加工メーカーは輸出先の個々の市場ニーズに対応すればするだけ、新たな成長機会を獲得することができるのだ。

関連記事

powered by weblio