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今年の市場相場を読む

鍋物シーズンのキノコ類 シメジ、エリンギ、マイタケ、シイタケ

今冬もいよいよ鍋物シーズンの本格的な到来だ。2010年は残暑が長引いたものの、急激な寒さも襲来した。鍋物野菜のうち、ハクサイや長ネギなどは、10月以降にようやく数量が回復してきたが、相場的には高保合いだ。鍋物の必需品であるキノコ類は、大方は工場的生産がされているために、年間を通じて安定供給されている。鍋物によく使われる品目は秋から供給が増えるが、需要も強含みとなることから、連動して相場も高くなる。キノコ類のほとんどは、近年の成長が著しい。鍋のシーズンについては、品目間での下克上が起きている点に留意したい。

シメジ 過去4年で3割増えた成長株。需要拡大で中小産地にも光明

【概況】

東京市場のシメジは、05年対09年で見ると3割も入荷が増加している。シェア68%で主産地ともいえる長野と、それに続く新潟が、周年供給するとともに数量を伸ばしている。夏場の入荷はやや減るものの、9月から急増し、冬場を通じて単価も高くなる。ホクトと雪国まいたけが供給の中心だが、入荷全体の2割程度はいわゆる農業系の産地から出荷されてくる。数量を持ち、年間を通じて出荷できる産地の単価は高い。

【背景】

シメジはエノキと並んで、今や鍋物に欠かせないキノコとなっており、両者とも入荷数量は従来から鍋の“定番”といわれたシイタケをしのぐ。価格が安定していることと、利用範囲が広いキノコだからだ。現在流通しているクリタケシメジは和洋中のどんな料理にも使われ、かつての“平たけシメジ”の時代とは隔世の感がある。年間を通じた需要に加え、冬場には鍋物需要もあるのだから、エノキを超えるのも時間の問題とさえいわれる。

【今後の対応】

東京市場へシメジを出荷している産地は、大小26県もある。中部から関東以北が中心とはいえ、西日本にもそれなりの産地が存在する。各地のホクトの工場生産物もあるが、農業系の生産も頑張っている。定量パッケージ品が中心であるものの、地域内では量り売りや外し品も差別化商品としてウケる。シイタケ以上の需要構造ができつつあるのだから、中小産地にも生き残る余地が出てきた。業務用を含めた地道な需要開拓が望まれる。

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