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その場には与野党の国会議員が複数いたので、内閣の方針とはまるで違う発言だが、自ら任命した農水省の政務3役が、こんな発言を繰り返しているのだから、この政権では、TPP参加は決断できないのではないかと思う。
それより参加するかどうかを決断する今年6月まで菅直人氏が政権の座にいるだろうか。
A君 国の形を変えるぐらいの重要な政策なら、本来は国民投票にかけてもおかしくはない話だね。
筆者 それは筋だ。
それにしてもTPP参加について総理の考え方はお粗末すぎる。
TPPに参加した後の国の形のイメージもできていない。
すべてが場当たりだ。
もっときちんと説明する必要があると思う。
A君 最後に一言。
筆者 市場開放は絶対に避けられないことである。
グローバル経済になり、もはや農業だけが特別扱いというような時代ではないことを理解すべきだ。
農協組織は、日本農業のためというよりも、自分の職場を守るため、農家と食料安全保障を人質にとって反対しているだけだ。
それに重要なことは、反対を言い続ける限り、対案も思いつかないという点だ。
それでは市場開放になった時に狼狽するだけだし、何の発展もない。
世界は動いていることをもっと認識すべきだ。
農業だけ自由貿易のドアを閉めておいて、産業界だけが自由貿易の恩恵を受けるような考えは、もう通用しなくなっているのだ。
市場開放に背を向けることは、この国にとって自殺行為にも等しいことである。
A君 有難うございました。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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