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システム導入のメリット
では、弊社のシステムを具体的に紹介しよう。左頁の実際の画面を参考にしてもらいたい。インプットする情報は、作物、品種、作業者、圃場、作業の詳細だ。これさえ入力すれば4つのメリットを享受できる。
第1に、圃場管理である。作業情報は実際に作業したスタッフによって写真付きで記録される。入力されたデータはサーバーに蓄積され、いつでも閲覧可能である。つまり、わざわざ現地に足を運ぶことなく把握できるのだ。見回りの手間が大幅に削減されるのである。
次に、作業遂行についてだ。作物の栽培の流れをいくつかの作業工程に分割し、圃場と作業工程の二次元テーブルで作業状況を管理する。一目で未着手の工程が確認できる。作業者自身が直感的に「次にどの圃場でどの作業をすればよいか」を理解して行動に移せる。
3番目は、情報共有である。情報はサーバーに一元的に集積されるため、複数台のパソコンから同時に閲覧も入力もできる。作業情報は数値や写真なので、客観的である。スタッフ同士がデータを見ながら相談し、情報を共有する。
4つ目は未来予測である。明日の作業から次年度の計画まで、予測範囲は様々だ。例えば、作業の進捗から全圃場で完了する日を予測できる。資材の使用実績からは、使用予定の量が推測でき、準備しやすくなる。次年度の計画は似たような条件の過去の実績が役立つ。播種、収量など出荷の見通しが立てば、客先にも事前の連絡ができて信頼関係の構築につながるのだ。
栽培工程の管理だけでなく、蓄積データ自体が経営資源にもなりつつある。複数の圃場を一度に俯瞰して見ることにより、経営的な視点から「次にどんな手を打てばよいか」を即座に判断できる。導入効果に手ごたえ十分だ。
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坂上隆 サカウエタカシ
農業生産法人 株式会社さかうえ
社長
1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス
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