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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
水嶋ヒロは『KAGEROU』ヒール宮井は『NOUGYOU』
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第34回 2010年12月28日
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「ねえ、リオ。北ってやっぱり寒いのよね?」
「ん? そうだね。レイはあれから北海道に帰っていなかったんだね」
「帰る場所ではなく、行くことのない場所だと思っていたの」
「あれから雪を見たことないの?」
「もう何年も……」
「そうなんだ」
「でも、またリオに再会出来るなんてすごいことよね」
レイとリオは幼なじみだった。二人は幼い頃近所に住んでいたが、レイは大人になり、北海道を去ったが、雪が降らないこの街で偶然再会した。3歳年上のヤンチャで活発だったレイと相変わらず口下手なリオはそれぞれの学生時代をそれぞれの土地で過ごすことになった。あれから10年。夏は家族でキャンプに行き、冬は南国オーストラリア人でにぎわっていたスキーの思い出は記憶の断片にしか残っていなかったはずだった。
「覚えてる? スキー場のこと」
「え? 何だっけ?」
「ニセコのスキー場でオーストラリア人と英語で話したこと」
「あれか……」
「リオったら、習いたての英語を使いたくて、どのくらい滞在するのか聞いたら、あの人、フォート・ナイトって答えた。半月の意味も分からなくて、顔を真っ赤にして逃げたよね」
「そうだったわね。でも今考えても変な話よね。なぜ真夏のオーストラリアの人たちがあの寒いニセコにスキーに行きたがるのかしら」
「きっと、祖先が寒い国から来たからかなあ」
「まさか。そんな、でも私が北海道にいた時も、みんな冬になると暖かい所に行きたがっていたわね」
今は幼稚園児が英語を習う時代になったが、その当時、初めてスキー場で使った英語の興奮はリオには忘れることができない事件だった。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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