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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

水嶋ヒロは『KAGEROU』ヒール宮井は『NOUGYOU』



二人は同じ学校に通って、毎朝決まってレイがリオを校門で待っているのが日課だった。英語の塾も同じで、読み書きが上手なレイと口下手なのに、英語となるとやたら話したがるリオ。まるで姉弟みたいにいつも机は隣同士で、塾が終わり、暗くなると年下のリオがレイを守るように帰った。

「ねえリオ、今何してるの?」

「仕事? 農家、いや気取った言い方だと生産者かな」

「お父さんの仕事引き継いでいるんだ。今も農業って大変なの?」

「楽な仕事はないよ」

「そうよね。みんな一生懸命頑張っているのよね」

「昔はただ働いていれば、それでよかったけど、今はいろいろなことができないと農業はできない」

「どういうことなの?」

「税務、法律、機械、経営感覚を持った農家は強いよ」

「じゃあ、リオは無理かも」

「え?」

「もちろん冗談よ、だってあの頃からリオは世界一でっかい農場にするんだって言ってたわよね」

「そんなこと、よく覚えていたね」

「でも信じられない、リオが本当に農業やるなんて」

「あの頃から規模拡大がすごい速度で進んでしまって平均的な面積では生きていけなくなったんだ」

「やっぱり農業って大変そうね」

「天職とは思わないが、誰かがやらなければ、明日食べる食事はないよ」

「リオ、すごいこと言っている」

「やっと分かった? 農業がすごいのは、物を作る原点であり、一番ありがたいのは家族がいつもいることかな」

リオは同じ世代の若者と同じように自分の将来を悩んだが、多くの若者が農村を離れ都市に向かい、自分とは違う道を進んでいることに明らかに違う自分との葛藤を感じていた。

そして、その答えを出すために自分の親の職業である農業をすることになった。レイはその近年起きた農業の大変化を知らずに話しているが、それは彼女の一般的な世代の考えとはかけ離れているものではかった。

「レイは今何しているの?」

「普通の公務員」

「公務員って自衛隊?」

「違うって、本当に普通のOLみたいな公務員だって」

「レイが公務員か。きっと自衛隊入って男どもとドンパチやっているかと思ったよ」

「残念でした。リオがやっている農業こそ公務員と同じじゃないの?」

「そうなんだよ。自分では非日常的生産特別国家公務員って言っているけど」

「何それ? もしかして補助金たくさんもらっているってこと?」

「交付金だよ、補助金とは性格が違うんだ」

「ふ~ん。よく分からないけど、人のためにはなっているのよね。ところでリオって、冬には何をしているの?」

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