ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土と農業経営のための微生物大百科

微生物バランスの維持で地力維持

高密度に培養された微生物資材を利用する技術が、いま注目を集めている。微生物資材の農業利用は、従来の我われの常識を書き換える可能性すら持っている。その適切な利用技術のあり方が、考えられてしかるべきだろう。
農業は自然の循環の中にありその循環の担い手は微生物


 さて皆さん、この微生物大百科もいよいよ今回で最終回です。今まで微生物というものが農業の場面においてどのような形で作物と関わっているのかを紹介してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

 彼らはさまざまな場面で、陰に日なたに作物の成長を助けています。まあ、ときにはとんでもない悪さをしでかしたりもしますが。しかし、こんなことを言ってはなんですが、正直なところ、私たちは彼ら微生物については実際あまりよく分かっていないのです。それどころか、ほとんど知らないというのが事実です。いま世界のいろいろな所で彼らについての研究がされていますが、その種類や働きなどあまりにも量が多く複雑で、“分かっていること”でさえ

「こうなんじゃないの」とか

「きっと、そうだ」

 というような、仮説にしか過ぎないのです。はっきりしていることといったら彼ら微生物も宇宙や地球と同じ自然の一部分であり、その中でお互いに支え合って生きているということだけなのです。

 農業は他の業界よりも微生物との関係も深く、良くも悪くも自然の影響を多く受けます。ですから、それらによる負担をなるべく軽くし、少しでも安定的に生産性を上げるために多くの人々が知恵を出し、いろいろな技術や道具が研究・開発されてきました。しかし、それらはもともと自然の力をうまく引き出してやるためであるはずなのに、そのことがいつの間にかどこかに忘れ去られてしまっているのかもしれません。農業経営者の居場所は自然の循環の中にしかなく、その循環を回しているのは人間ではなくむしろ微生物なのです。

 病めるときも、健やかなるときも、彼ら微生物は自然の循環という歯車を回し続けていてくれるのです。まさに『神の見えざる手』です。

関連記事

powered by weblio