記事閲覧
【今年の市場相場を読む】
TPP時代に向けての野菜戦略
- 第175回 2010年12月28日
- この記事をPDFで読む
根ショウガ 国産で中国産を代替するには限界。ベトナムなど台頭する可能性も
【概況】
東京市場の根ショウガの入荷は、05年あたりから減り始め、08年に底を打った後、増勢で推移している。減少の理由は中国産の敬遠気運からで、タイ、ベトナム、台湾、フィリピン、ニュージーランド産などが穴埋めしたものの、全体の入荷量は減った。09年と10年は増勢に転じているが、これは主産地の高知を含めて面積拡大があったため。とりわけ09年は生産量が多く、越年物により10年の全体量も増えている。
【背景】
10年の入荷量は、05年水準まで回復した。シェア別に見ると6割近い高知に対して、中国産は3割程度。05年当時は約半分が中国産だったことを考えると、国産の代替が大幅に進んだといえる。08年に平均単価が600円を超える高騰となったことが、国内増産のきっかけになったことは間違いない。高知の商系業者の間では、休業した農家を復活させたり、九州地区などで委託栽培したり、買い取りなどの動きが活発だ。
【今後の対応】
ショウガは、栽培、収穫などで多くの労力が必要で、しかも土壌病害などにも細心の配慮が必要であり、安易な面積拡大はできない。安い中国産への需要は強く、国産で代替するにも限界がある。そのため、産地が中国からほかの環太平洋の国々にシフトすることはあり得る。インドネシアやタイ、ベトナムなどが有力候補だろう。とりわけベトナムのダラット高原では、対日本向けの野菜生産や1次、2次加工が急激に増えていることに留意したい。
会員の方はここからログイン
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)