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今年の市場相場を読む

TPP時代に向けての野菜戦略



ミニトマト 韓国の輸出意欲が低い今、国内産地は強気で臨め

【概況】

東京市場のミニトマトの入荷は、ここ数年増勢にある。05年と09年を対比すると2割もの入荷増ながら、単価はほぼ維持している。10年は猛暑の影響で入荷の全体量がやや減りそうだが、今後も増勢は変わらないだろう。厳冬期の熊本、愛知からの供給が少ないが、夏期の産地である東北、北海道からの入荷増は期待できる。かつて輸出意欲が強かった韓国産は大幅に減っており、需要は一部業務用に特化しているようだ。

【背景】

近年、大玉トマトの入荷は漸減傾向にある。これに対してミニトマトは、高糖度のフルーツトマト系の増産意欲が強いことを考えると、今後さらに大玉トマトのシェアを食っていく可能性がある。トマト全体でミニトマトが占める割合は2割程度が限界、という見方があるが、それにしてもまだ増える余地があることになる。ミニトマトに対するマーケットの需要が高まれば、環太平洋の国々から輸入することも考えられる。

【今後の対応】

数量は微々たるものだが、現在でもチリ、シンガポール、コロンビア産が入荷されている。これらは主に業務用だ。有力な海外産地としては、日本同様にミニトマトの生産、消費が盛んな韓国が挙げられる。ところが同国では、ミニトマトの国内需要が強いため、輸出意欲が低い。現在、トマトの主産地である忠清南道から輸出の売り込みがあるのは、むしろ大玉トマトのほうだ。高まるミニトマトの需要に、国内産地は強気で臨むべきだ。

アスパラガス 佐賀が豪州を大逆転。課題は加工業務用需要への安定供給

【概況】

東京市場のアスパラガスの入荷は、10年はやや停滞したものの、ここ数年の動きは増加の一途である。産地地図は08年に大きく変化した。それまでオーストラリア、福島、佐賀の順だったシェアが、佐賀、福島、オーストラリアの順になる大逆転が起きた。早春から晩秋まで長期出荷が可能になった佐賀が飛躍的に地位を向上させ、オーストラリアが陥落した形だ。東北産地の根強い増産意欲も徐々に数字になっている。

【背景】

アスパラガスの周年供給は、まさに環太平洋諸国の補完によって成り立っている。切れ目のないフィリピン産、年明けのメキシコ、カリフォルニア産、秋からのオーストラリア、ニュージーランド産に加え、近年はペルー、チリ産も参入してきた。国産を中心にしつつも輸入品がそれを補完し、厚みのある供給体制ができあがっているのだ。すでに消費が定着している輸入品需要に、国産が“参入”して食っていくのだから、供給はより厚くなる。

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