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【今後の対応】
これほど国産が増勢でも、業務用需要を中心に、周年型のタイ、フィリピン産、冬期の南米産への根強い支持がある。価格要素もあるが、それ以上に「安定供給」という点を重視しているからである。国産は今後も輸入品を食っていくだろうが、それでも1万t前後の輸入は残る。加工・業務用の需要を丁寧に掘り起こして、国産対応できる供給体制が確立されてもいいはずだ。一般需要への供給の課題は、夏場の増産、つまりは東北産地の強化である。
ブロッコリー 全国的に増産の傾向。輸入と国産持つドールの動きに注目せよ
【概況】
東京市場のブロッコリーの入荷は、08年に前年比25%増と急増し、以降も増勢が続いている。愛知、埼玉の両雄の増加はもちろん、北海道の台頭も目立っている。こうした国産の増勢を受けて、カリフォルニア産がひとり負けの状態だ。10年の品薄傾向でカリフォルニア産もやや回復したが、それでもシェアは4位にとどまる。北海道と長野が突出する夏場はむしろ供給が薄く、ここにカリフォルニア産の入る余地がある。
【背景】
輸入品の中ではカリフォルニア産が断トツのシェアを誇るが、メキシコやタイ、フィリピンなども実績はある。しかし、全国各地で作りやすい露地野菜であるため、国内でのブロッコリー増産意欲は強く、供給が増えた分だけ需要にも厚みが出てきている。また、市場流通の表舞台には出てこないドールの国内生産が、すでに5%程度のシェアを持つといわれる点にも注目したい。ドールは国産と輸入品とを上手に使って、日本マーケットに浸透している。
【今後の対応】
ブロッコリーに関しては、この先、関税フリーになっても輸入が増えることはないだろう。産地としては、むしろ国内ライバル産地との競合や、国産、輸入品を合わせて流通量全体の15%程度をコントロールするドールの動きに注意が必要だ。まだ4万t近い輸入品があるのだから、国産がさらに増産となっても当分過剰にはならない勘定だ。ただし産地には、1玉70円程度で小売店渡しできるだけのコスト計算が求められる。
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