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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

海外進出とは多様性を受け入れること



中国でも通じる「和」

 一対一で、碁盤の目にきれいに合わせることを重んじる。これは日本が狭い世界の中で築いてきた特有の国民性でもある。もし、国際ビジネスで相手側にもこの考え方を押し通したいのならば、一対一のゲーム、チェスなどを楽しむ国を選んだ方がいいのかもしれない。チェスは西洋将棋ともいわれ、起源は将棋と同じく古代インドにある。

 だが、多様な価値観を持つ国際社会で自国の考え方を押し通すのは容易なことではない。井の中の蛙になっている場合ではない。中国でビジネスを本気でやっていくなら、麻雀を覚えるのもひとつの手段である。先方の文化や価値観、考え方を受け入れるという大きな意味を持つ。勝負の後は飲みに出かけ、勝った人がご馳走するのだという。勝者は、敗者から集めたお金で面倒をみるということだ。まさに中国式の「和」の法則と言えよう。国際社会でも「和」の価値観は通じているようだ。


TPP(環太平洋経済連携協定)参加問題にひとこと!

 日本を含むアジア、環太平洋での国同士がどうパートナーシップを結んでいくか、日本の将来を考えた開国の哲学が問われている。そもそも一農業者である私がコメントできる立場ではない。ただし、これは農業問題に限ったことでは決してないことは確かだ。他の産業界でもTPP参加によってすべてがバラ色になるわけではないのだから。

 とはいえ、農業者がTPP参加について個々の事情で反対せざる得ないことは私もよく理解できる。だが、根拠を明らかにせず反対したらどうなるか。「国内の農業者だけが自分たちの都合で反対をする」との印象を我々の顧客である消費者に持たれてしまう。これは極めて残念なことで、農業界として避けなければならない。

 反対するのであれば、現状がどうだから、どれくらいのリスクがあるという具体的な理由がなければならない。農業者が日々行なっている経営の現状に基づいた意見が重要である。我われ農業者も国民に正面から語っていくべき時代が到来したということだ。

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