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【ちょっとちがうぜ中国で農業】
中国の外交戦略とアジアの農業
- 土下信人
- 第72回 2011年02月01日
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中国の巧みな外交術
2011年の中国の第一歩は、胡錦濤主席の訪米で始まった。この時主席は、200機の航空機をはじめとした総額3兆7000億円にものぼる注文を手土産に用意するという、実に巧みな外交術を見せた。オバマ大統領が進めている、輸出を拡大し、貿易赤字を減らすという政策に呼応するこの対応によって、米国民23万人の雇用が確保できると絶賛され、TPP参加を表明していない中国に対する論議をかわすことに成功した。時折見せる中国の外交能力の高さには、つくづく感心させられる。
こんな中国の外交手腕は、アジア諸国との間でも発揮されている。
例えば、04年以降、中国の輸出伸び率は減少傾向で、特に09年には大きく落ち込んだのだが、翌10年には見事に回復させている。
ここで大きな要因となったのは、ASEAN(東南アジア諸国連合)と締結したACFTA(ASEAN中国自由貿易協定)だ。ACFTAは、中国やタイ、ベトナムなど東南アジア諸国間での関税を、10年1月1日から一部撤廃する協定で、巨大な自由貿易圏の誕生となる。これによって中国の輸出増加を実現したわけだ。
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土下信人 ツチシタノブヒト
1949年愛知県生まれ。95年、沖縄で(有)土下を設立。組織培養技術を活用した苗生産・販売を中心とした農業のコンサルタント業務を開始。上海で組織培養施設への指導を行ない、2003年同地で組織培養会社、上海百奥微繁植物有限公司を設立。HP『大きな国で』を開設。
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