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施設園芸のいろはのいの字-施設園芸を新規に始める人のための資材の見方と選び方

暖房と地中加温

真冬にも美しい花や新鮮な野菜を供給することが可能なのは、前回取り上げた被覆資材だけでなく、各種の暖房設備が働いていることも忘れられない。これを使うことは、多量の石油エネルギーを消費することでもあるので、暖房設備の高効率化を考えることは、施設園芸では必須の事項である。
 真冬にも美しい花や新鮮な野菜を供給することが可能なのは、前回取り上げた被覆資材だけでなく、各種の暖房設備が働いていることも忘れられない。これを使うことは、多量の石油エネルギーを消費することでもあるので、暖房設備の高効率化を考えることは、施設園芸では必須の事項である。

 暖房というテーマは、生活面でも登場する技術なので考えやすいが、施設園芸に特有の使用条件もある。留意点を述べると、

・温室内気温の不均一を最小にする。
・暖房設備による温室内日射の遮蔽を最小にする。
・温室内での作業性や有効栽培面積に与える影響を最小にする。

 などとなる。つまり、暖房方式がどのようなものであるにせよ、放熱媒体(ダクト、配管等)の配置方法に工夫が必要だということである。

 次に暖房機器の機種別能力をどのように考えるかということだが、これは単に施設の大きさだけでなく、施設が持つ熱損失の大小についても考慮する必要がある。それは、

・被覆材を通して失われる熱損失(貫流熱量)
・すき間を通って外へ逃げる熱損失(換気伝熱量)
・土壌との熱交換による熱損失(地中伝熱量)

 この三つが施設それぞれによって違うわけだが、これをまず少なくすることも効率よい暖房の前提である。

 さて施設園芸における暖房方式は、具体的には温風暖房と温湯暖房の二種類が実用性のあるものとして普及している。また小面積の育苗用として電熱線によるもの(電気温床線)もある。さらにこの他にも、それぞれの施設の事情に応じて工夫を凝らした暖房方法があるが、ここでは代表的なこの三つを取り上げる。

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