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【農水捏造 食料自給率向上の罠】
TPP断固反対の農水省、“中国コメ輸出利権”等 自らの仕事づくりにも必死の様相
- 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
- 第28回 2011年02月01日
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TPP参加の影響を示した農水省試算と民主党農政の論理がいかに破たんしているか、前号に引き続き暴いていく(5つの嘘のうち、残りのコメの減反政策、農家戸別所得補償、食料自給率)。
TPPに参加した場合、「国産米の九割が外米に奪われる」、その結果、「食料自給率が40%から14%に低下する」との試算が発表されたのが昨年10月26日。その約1カ月後の12月1日、農水省はこんな指令を全国47都道府県に発している。
「全国の平成23年産米の生産数量目標については、795万t(面積換算すると150万ha)に決定しました。都道府県別の目標は以下のとおりです」
生産数量目標とは、最大でどれだけ各県がコメを作るべきか、国が指示する数量である。いわゆる、減反政策だ。TPPに参加すると自給率が大幅にダウンすると主張する農水省が自ら、自給率を下げる減反を強化しているのだ。
今回、8県を除くすべての都道府県に減産を命じた。その結果、前年目標の813万tから18万tの減である。この量は、国民一人あたりのコメの年間消費量が60kgとして、300万人分に及ぶ。
減反が強制される1970年まで、日本は世界3位のコメ生産国であった。それから40年、800万tを下回る目標は今回が初めてだ。減反面積は100万haにのぼる。全水田面積の4割だ。過去10年だけでも、生産量の1割に当たる80万tの減産を命じたことになる。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
農業ジャーナリスト
1974年山口県生まれ。1995年、エジプト・カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専科中退。アラビア語通訳、Sony Gulf(ドバイ)、Sony Maroc(カサブランカ)勤務を経て、2000年、農業技術通信社に入社。元・SOGULマーケット専門官。元月刊『農業経営者』副編集長。現在ジャガイモ専門誌『ポテカル』編集長。2010年2月に講談社より発行された著書『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』がベストセラーになる。最新刊に『TPPで日本は世界1位の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代』(KKベストセラーズ)がある。
農水捏造 食料自給率向上の罠
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