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【今年の市場相場を読む】
冬に需要が高まる脇役野菜に注目 ユリ根、食用菊、ユズ、ギンナン
- 第176回 2011年02月01日
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ユリ根 関西では健在だが関東では激減。訴求ターゲットは妊婦さん
【概況】
東京市場のユリ根は、業務用食材としてバブル期までは年間300t近い入荷があったが、今や140t程度まで激減している。産地は北海道がシェア98%を占める。秋から年末にかけて急増するが、わずかながら年間を通じてコンスタントな入荷もある。貯蔵がきく土物類ということもあるが、脇役食材としての業務用需要が切れないからだろう。関西はより需要が強く、大阪だけで400t近い入荷がある。
【背景】
ホクホクした食感で栄養価が高い食材だが、とにかく栽培には手間がかかる。花の摘み取りから、手作業での植え付け、収穫、根切りなども含めて、出荷するまでになんと約6年もの年月がかかるのだ。このまま消費のジリ貧状態を放置すると、生産そのものもなくなってしまう。そんな危機意識から立ち上がったのが、北海道のユリ根生産者で組織する「ホクレン食用ゆり消費拡大協議会」と「北海道連合百合根振興会」だ。ターゲットは妊婦さんである。
【今後の対応】
消費拡大キャンペーンの名は「ママを『ゆりね』で応援プロジェクト」。ユリ根にはビタミンやミネラル類が豊富に含まれており、特にむくみの解消に良いとされるカリウムは野菜の中でもトップクラス。貧血に良いとされる鉄分や便秘の解消に効果的な食物繊維、胎児の発育に不可欠な葉酸も含んでいることから、妊婦にとって理想的な食材といえる。簡単でおいしい食べ方や、茶碗蒸し以外にもこんな料理に、といった提案が待たれる。
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