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新・農業経営者ルポ

耕作放棄地で挑む大規模コマツナ産地づくり



生産者有利な状況を絶対に作り上げる覚悟

 現在、コマツナは市場出荷がメイン。代金回収リスクの軽減、大型スーパーの市場利用率の高さなどを考えた上での選択だ。この市場出荷は仲卸業者との相対取引だ。農協経由のセリ取引ではなく相対取引にしたのは「コマツナの大量生産と安定供給」が実現できているからだ。

 昨年1月、こんなことが起こった。あるスーパーが前日にコマツナを大量に注文してきたのにも関わらず、仲卸業者は動かなかったのだ。

 「動いてほしいと僕は言ったんだけど、動かない。だから、その市場との全取引をストップしたんですよ。この市場とは縁を切ろうと思った。そうしたら次の日の朝、頼むから出してくれと謝罪しに来ましたよ」

 現在、毎日1500ケース程度を出荷しているが、2000ケースまで出荷可能のため、まずはその数字をクリアするのが目標だ。この実現には、他の市や町にも目を向ける必要がある。それも行政からの依頼を待っているだけでは遅い。

 「よそ者ですから、地元の農業委員会は動いてくれないことも多い。それは仕方のないこと。でも、そこで諦めては何も生まれない。そういう時には、県の担当や国会議員などに根回しをすることもあります」

 これらのエピソードには、この地域をコマツナ産地として確立する途上で、一切の妥協を捨てた男の覚悟が見える。それ故、スタッフは永堀に付いていく。

 今永堀は、タマネギの生産にも力を入れ始めている。昨年3haだったが、来年には10haに拡大する予定だ。コマツナの連作障害対策の側面もあるが、タマネギでも市場で主導権を発揮できる打算があるからだ。農業に携わって47年、永堀は自らの道を切り開いていった。その過程では、直売所の経営にも乗り出し、経営者としての幅を広げた。そして、これからも自身が愛するパワーショベルのような力強さで、突き進んでいくつもりだ。(本文中敬称略)

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