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今年の市場相場を読む

春夏野菜 カリフラワー/カボチャ/小ネギ/ニラ

ニラ ここ数年で消費が伸長したのはナベ物需要で利用法が定着した


【概況】

 軟弱野菜の中で最近、伸びが顕著な野菜の代表格である。東京市場でも、元年と五年の対比で数量が一二%伸びたにもかかわらず単価が四七%もアップした。ひとつのキッカケは三年前の「もつ鍋」ブームで、消費者がニラをナベに使うことを覚えて消費が拡大したと思われる。軟弱物だけに近郷産地物が主体で、夏場は東北産地が受け持つが、出荷は近郷物のために二月から始まって三、四月がピークで七月ごろまでが多く、他の月もほば一定の需要がある。それにもかかわらず単価的に高いのは冬場で、業務用の需要が多いことを証明している。


【背景】

 平成五年は、過去数年の推移の中でも最も順調に販売された年で、六月を除いてすべて、過去四年の平均単価を上回った。それでいて入荷量的には増量。ニラ人気がさらに高まった年といっていい。六年に関しては、五年の推移から各産地とも強気の展開を見せていたが、夏場の高温の影響で東北産地を中心として市場への着荷状態に問題が発生して、入荷は減ったにもかかわらず単価を下げた。軟弱物であるため輸送や陳列に気を使わなければならない品目であるが、消費者に収穫期後半の筋っぽいものを敬遠する傾向がさらに強まっており、さらに“軟弱志向”が強まっているといえる。産地としては切上げ時期の問題を厳格に対処しないと、商品価値を下げるという現象も出てきている。


【今年の対応】

 昨年の実績を見ると、夏場を中心として単価安の傾向が見て取れるため、今年の対応を慎重にするという姿勢も見えるが、二つの需要は堅調である。広葉系の柔らかい品種を選び、どのタイミングで出荷を止めるかの「切上げ時期」を見誤らないようにしたい。産地としては、出荷スタートから終了まで、すべてを出荷対象としたいと考えがちだが、後半の葉脈硬化時期のものは商品ではない、という厳しい姿勢で臨むべきだ。軟弱物であるため、出荷先は地元の市場が原則だが、予冷施設や包装対応などで余力のある産地は、JAの担当者などを通じて、消費地市場への出荷も計画してもいい。ただしその際には、時期別の包装単位(束のグラム数)、一箱当たりの入れ数など、卸売単価、販売単価に配慮した商品作りに気をつけること。

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