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特集

東日本大震災から2カ月 農業経営の再建、そして復興へ——


 建造物の壁にひびが入ったり、工場内の金型や工作機械に修理や調整が必要なケースも多数出た。ただ、自動車産業のような影響はなく、ほぼ元の状態で稼働しだしたと聞く。農業機械の場合は春と秋に使用する製品が中心のため、製造も計画的に行なっている。そんなこともあって自動車産業ほどの支障は生じていない。

 震災で壊れたりした製品の整備や修理は販売店を通じて取り組んでいる。乾燥機や作業機の各専業メーカーの動向は調査中の段階にある。


●肥料
全国肥料商連合会 西出邦雄常務理事代行

 商系の流通について県部会からの報告によると、40社の会員企業がある宮城県ではいまだ半数と連絡が取れていない。ほとんどの倉庫で商品の荷崩れが起き、商売できないところも2社存在する。約30社の会員企業がある岩手県では大きな被害は聞いていない。およそ80社の会員企業がある福島県では20社前後で商品の荷崩れや建造物の倒壊が発生し、津波を含めて甚大な影響が出ている。福島第一原子力発電所の立ち入り禁止区域内の企業の動向に関してはつかんでいない。意外と知られていない栃木県や茨城県、千葉県でも被害はあり、地盤の亀裂や液状化現象、水利施設の損壊といったものがみられる。大きな余震でダメージを繰り返し、倉庫がつぶれたり、店舗が損壊したところも数件発生した。

 ガソリン不足で当用期に商品を運べない事態は4月第1週に収まった。西日本からの発送も一部であった。今後、為替や原料価格の高騰で肥料価格の上昇は避けられない見込みだが、末端価格は極力上げないよう連合会としても努力していく。


●農薬
農林水産省消費・安全局 農産安全管理課農薬対策室 石岡知洋氏

 製造ラインに被害を受けた工場もあるが、順次、操業を再開している。福島第一原子力発電所の立ち入り禁止区域内にある工場はめどが立っていないため、外部での代替生産も検討しだした。細かいことはあるにしても、総じて農業現場の防除作業に支障が出るようなことはない。


農作物を守るために知っておきたい放射線講座

原子力発電所の事故による放射能汚染で、福島県などの農業が大きなダメージを受けている。風評被害も深刻化し、今後の見通しもなかなかつかない。この状況に立ち向かうためには、放射線を正しく理解し、冷静に判断することが重要だ。ここでは放射線の基礎知識や放射能汚染についてわかりやすく解説する。取材・文/佐藤成美(サイエンスライター)

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