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土門「辛」聞

コメの需給調整が機能しない 大災害時に露呈した構造問題

大震災と福島第一原発事故のダブル・パンチに見舞われた日本列島。農業現場へも深刻な影響を与えている。何よりも原発事故は、春の出荷シーズン最盛期の福島や関東の各産地を混乱に陥れた。その裏で「チャンス到来」と腕まくりする産地もある。被災地から遠い北海道や西日本の産地だ。あらためて日本列島は南北に長いことを思い知らされる。被害は、津波が襲った太平洋岸の産地だけではない。地震の揺れが強かった内陸部も深刻な打撃を与えている。地震の大きな揺れで水利施設やなどが損壊したのだ。4月25日時点で新聞各紙が報じた各地の主な被災状況をまとめてみた。

 大震災と福島第一原発事故のダブル・パンチに見舞われた日本列島。農業現場へも深刻な影響を与えている。何よりも原発事故は、春の出荷シーズン最盛期の福島や関東の各産地を混乱に陥れた。その裏で「チャンス到来」と腕まくりする産地もある。被災地から遠い北海道や西日本の産地だ。あらためて日本列島は南北に長いことを思い知らされる。

 被害は、津波が襲った太平洋岸の産地だけではない。地震の揺れが強かった内陸部も深刻な打撃を与えている。地震の大きな揺れで水利施設やなどが損壊したのだ。4月25日時点で新聞各紙が報じた各地の主な被災状況をまとめてみた。


【岩手県】海岸沿いの堤防10カ所のうち4カ所が全壊。田んぼに水をためるための畦畔が津波で壊れたり、地割れなど農地への被害は1038カ所、排水施設の損壊は31カ所に上る。(4月23日付け共同通信ニュース)

【宮城県】農地や農業用施設で被害を受けた2160カ所のうち、津波が原因だったのは104カ所。(同)

【福島県】農地1084カ所、水路708カ所、ため池694カ所などが被害を受けた。「現段階では調査中で、さらに積み上がる」(県農林水産部)としている。(同)

【茨城県】県内の作付面積7万7000haのうち、液状化などにより田植えの時期を遅延せざるを得ない水田が51.1%に及んでいるという。特に、稲敷市は8割、県北地域と県南地域は7割で遅れが予想される。(4月21日付け毎日新聞)

【千葉県】農業用水を汲み上げる施設や用排水路の破損などで市内の水田の3割を超える2500haの作付けが不可能となった。(4月15日付け全国農業新聞)

 今回の大震災・原発事故は、東北や関東のコメ主産地を襲っている。今年のコメ生産と流通にどう影響するか、考えてみたい。

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