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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
「風評被害」には独立系農家連合で対抗せよ
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第30回 2011年05月17日
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今回の震災で被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げる。
東北の直接的な被災地の様子とは次元の違う問題ではあるが、和郷園が拠点とする千葉県香取市でも、農地の液状化、ハウスの被害、ホウレンソウなど野菜の出荷自粛など、次々と震災の波が押し寄せている。この原稿を書いている3月31日時点も、暫定値を超える放射性物質がJA香取で確認されたばかりだ。予断を許さない状況が続いている。
千葉県においても直接的な被災地は厳しい事態にある。
地震当日、全壊・半壊した家屋は1000軒、避難所で夜を越した県民は1500人を超えた。とくに隣の旭市がその被害の大部分を占めた。生死の問題だ。
和郷園グループの組合員や関係者については、不幸中の幸いで当日のうちに、全員の安否確認ができた。
すぐさま災害支援組織を社内に設置。各部署から1、2名の有志と私、副代表の向後を責任者として、6名のチームを結成した。
われわれにできることは何か。みなで協議した結果、3つの活動に集約することにした。
3つの支援活動に集約
第一に地元の被災者支援。第二に福島県をはじめとした東北の大被災地の支援。最後に、千葉県の農業界にとって情報集約・発信機能となることだ。
未曾有の状況下、中小企業の独自支援といっても限界がある。個別に判断しても、情報が錯綜するなか、何が一番いま本当に必要か正確な対応はとれない。そこで第一、二の活動については、千葉県と福島と宮城、岩手県の震災対策本部に連絡をとり、ボランティア団体として登録、本部からの指示・命令に従うことにした。
県内外から震災の翌日には、2、3000人のボランティアが被災地に続々と集結しはじめていた。当社に割り当てられた任務は、ボランティアの皆さんを乗せて「旭市ボランティア・センター」と倒壊した家屋の間を往復する輸送サービスであった。センターには車両2台とドライバー2人を提供できる、と事前に登録していたからだ。私と向後は、地震発生後から10日間ほど、ひたすら送迎任務にあたった。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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