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【それぞれの新規就農スタイル】
ポケベル番号の交換から始まった遠距離恋愛。
- (有)多家良培菌(徳島県徳島市) 坂口太一(33)・愛子(33)
- 第1回 2011年06月16日
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出会い、そして就農のきっかけは?
出会いは高校生の頃。甲子園近くのホテルで甲子園常連校の野球部にいた高校球児の太一さんと神戸に遊びに来ていた愛子さんが偶然出会い、意気投合。交際開始後、徳島へ遊びに行き、お手伝いをしたことがきっかけで、愛子さんの実家で農業をしたいという気持ちが芽生えていった。結婚後4年間は岐阜で暮らしていたが、27歳の時に2人で一緒に徳島へ。「愛子はすぐに子育て。僕が義母からシイタケに関するあれこれを教えてもらいました」(太一さん)。
今、感じている農業の面白さは?
「前の仕事も“ものづくり”だったけど、食べることに結び付いているのがいいですよね。シイタケ大好きですし(笑)」と太一さんが言えば、野菜ソムリエの資格を持つ愛子さんは「菌床ブロックから小さいキノコが生えて段々と形になっていくのが愛らしくて。こういうことを子どもたちに知ってもらえば、シイタケが好きになってもらえるんじゃないかな」。地元の小中学生を招いて、シイタケ狩りを体験してもらうなど、彼女なりのスタンスで食育活動に取り組んでいる。
これまでに何か大きな失敗は?
「あれは2年目ですね……、コンピューター制御されていると思い込んで、うっかりハウスの見回りを忘れてしもうて。加温され続けたのでシイタケは全滅。当然、義父には叱られましたが『この失敗は後々の糧にしろよ』とも言われました。やっぱりグッと来ましたよね」(太一さん)。以降、目で、耳で、鼻で確認するため、きちんと足を運ぶようにしている。立派な社長である専務として存在感を発揮しつつある。
農業を通じて実現したい夢は?
子育てに手がかからなくなってきた愛子さんはようやく作業を手伝えるようになり、アスパラガス栽培を始めた。近々収穫の時期を迎える。「廃菌床を土に入れると作物が大きく育つみたい。循環型農業としてシイタケと一緒に生産していけたら」。一方、シイタケ部会青年部長の顔を持つ太一さんは「徳島産は生産量が日本一で、市場でも評価が高いけん、それをこのまま維持したいですね」。穏やかな口調の裏側にある情熱を感じさせた。
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坂口太一(33)・愛子(33)
(有)多家良培菌(徳島県徳島市)
【太一さん】生年:1978年/出身地:岐阜県養老町/最終学歴:岐阜県立岐阜商業高校商業科卒業/前職:家業である精密金型製作工場に勤務/趣味:ソフトボール、ゴルフ。 【愛子さん】生年:1978年/出身地:徳島県徳島市/最終学歴:岡崎学園国際短期大学卒業/前職:アパレルショップ店員/趣味:ワイン、バドミントン、ガーデニング。 作目と規模:菌床シイタケ。80a(ハウス17棟) 主な販路:JAの部会経由で関西の市場へ出荷。 お互いの評価を聞くと、「すごく頑張ってます。口先だけの人じゃないです(笑)」(太一さん)と「短期間にいっぱいのことを吸収してくれた。尊敬しています」(愛子さん)との答えが。
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