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【今年の市場相場を読む】
風評被害を受けた野菜の動向 ホウレンソウ、レタス類、キュウリ、ピーマン
- 第179回 2011年06月16日
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ホウレンソウ 軟弱野菜全体の消費減を誘発。不需要期に向かうが回復は遠いか
【概況】
震災は3月上旬に発生し、それから約10日後より出荷停止産地が指定されたため、市場相場を直撃したのは半月ほどだった。同月だけをみると、東京市場のホウレンソウの入荷量は前年同月比で85%、単価は88%程度にとどまった。しかし、4月に入ると、福島県だけでなく、群馬県など北関東の主産地が出荷停止措置を受けたことから、入荷量は81%とさらに減少し、単価は61%という暴落商状となった。
【背景】
3~4月はホウレンソウの旬が終わり、冬場のように消費は活発ではない。例年でも入荷が減少し、単価も上がっていく時期ではあるが、今年の場合は入荷減でも単価は暴落した。4月の入荷統計では、この月の主産地である群馬県は前年同様に3割以上のシェアをキープしたが、大きく変わったのは同年に3割近いシェアがあった茨城県産が8%に激減し、それをカバーするかのように同年のシェアが18%だった埼玉県産が27%に増えたことである。
【今後の対応】
5月には入荷が79%に回復し、単価も94%までばん回しているが、震災以降、はっきり消費者の軟弱野菜離れが見て取れる。幸い、キャベツが豊作で安かったことで、家庭の野菜利用には不便を来さなかった。6月以降は産地が東北に移っていくが、不需要期でもあり、入荷減の単価安の傾向は変わらないだろう。放射能汚染の対象品目に真っ先に指定されたホウレンソウは当分、子供のいる家庭を中心に敬遠されるとみたほうが無難である。
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