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実は要因の伏線は昨年12月から張っていました。まずは各店舗の店長とスタッフの固定化です。それまでは新店舗出店のたびにスタッフがシャッフルされ、一店舗の店長・スタッフが入れ替わっていました。当然店長のリーダー力が弱まりチームワークが悪くなり、店に対する愛情も薄まりやすくなります。そこで、忙しいという理由で現場に籠りがちだった店長を毎週必ず無理矢理本社に呼び出し、店の問題点を本社と共有するための面談をすることで、店長と社長である僕とのパイプを強くして店長の権力を高めてきました。
店長の目的は現場を回すことではなく数字(経常利益)を創ることである、ということを身体に染み込ませるために、朝会と称した全体会議を毎週月曜朝8時から行い、リーダーの報告を約3時間、それに対する僕のアドバイスを3時間以上、無理矢理全員に聞かせました。
例えば数字に強くない店長のために、目標の数字を一つに絞ることをアドバイスします。経常利益は総合的な結果なので複雑になりますが、まずは人件費比率を25%にすることだけを目標にしよう! と言えばできないとは言いづらくなります。しかし現実には、行列のできる店舗ほど、お客様に迷惑が掛かるから現状の35%以下にはできない、と言い切っていました。
そこに震災が起こり、お客様がパッタリと来なくなってしまいました。さすがに各店長はアルバイトを切り、最少人数での営業を心がけました。最少人数での営業に慣れてお客様が戻って来てくれた頃には、どの店舗も25%を切っていたのです。
無理して人件費を削らせれば、食材費も無駄にしたくなくなるのは人の常です。人件費比率を下げても食材比率が高ければ総合的な利益を求められないからです。人件費比率のノルマを達成した店長は、無駄な経費節減や売上アップにも積極的になってくれました。
これからが飲食店経営のスタートです。より利益を上げてお客様と従業員に配分しなければ、永続的な経営はできないでしょう。今期通年で利益を出せれば飲食部門の社長を引退します。川下を一つ固めて、この勢いで川上に突き進んで参ります。
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高橋がなり タカハシガナリ
国立ファーム(有)
代表取締役
1958年生まれ。専門学校卒業後、佐川急便にてドライバーを経験。その後テリー伊藤に見込まれ、「元気が出るTV」などのディレクターを務める。30歳で起業するも、二社の経営に失敗。三度目の正直でアダルトビデオメーカー「ソフト・オン・デマンド株式会社」を設立。10年で100億円企業にまで育て上げて引退する。2006年4月に「青葉株式会社」を立ち上げ、農産物の生産から流通、販売まで一貫して取り扱う「国立ファーム設立準備室」を青葉株式会社内に作る。過去にNTV「マネーの虎」に出演して一躍注目を集めたほか、『サイゾー』『Big tomorrow』『Ray』『R25』『フロム・エー』など多くのメディアに登場。人生を切り拓く独自の哲学が若者のみならず多くの人々の共感を得る。著書に『がなり説法』(インフォバーン)、『がなり流!』(青春出版社)、『社長の遺言』(インフォバーン)などがある。
高橋がなりのアグリの猫
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