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特集

水稲育苗の技術と経営
遅れた機械化をどう克服するか

 緑化・硬化の作業

 出芽した段階で出芽器から苗箱を10枚ずつ取り出し、一輪車で硬化ハウスヘ運搬し並べる。その後、潅水し保温シートを掛ける。なお、硬化ハウスまでの運搬経路には若干の段差があり、一輪車での運搬では出芽後の苗箱の転倒の危険があり注意が必要である。

(2)開発機の概要

 苗箱の出芽器への積み重ね、出芽した苗箱の硬化ハウスへの運搬が特に労働強度が高く、高齢者や婦女子にはきつい作業となっている。そこで、作業場で使用する苗箱運搬機と、硬化ハウスへの運搬のための苗箱運搬台車を試作し、労働強度の軽減を図った。

 苗箱運搬機の構造(写真(7))

 出芽器を改良せずに使用することを前提にしたため、出芽器のフレームに規制され大幅な能率の向上は期待できないものの、労働強度の軽減に重点を置いて開発した。

 苗箱運搬機は、本体フレームに高さ調節が可能な荷台をセッ卜し、前輪は固定、後輪は自在のキャスタ(車輪:300mm)きの四輪車で、操舵ハンドルにより人力で移動させる構造である。

 荷台に小型ベアリング(外径:35mm)付きの苗載せ用パレット(写真(8))をセッ卜し、パレットヘ播種後の苗箱を積み重ね、ットごと苗箱を出芽器に送り込む構造である。

 さらに、出芽時に苗箱を引き出すための電動小型ウインチを取り付けた。

 苗箱運搬台車の構造(写真(9))

 出芽器から硬化ハウスまでの通路は、個人農家の場合、未舗装の場合が多く、ハウス内も潅水等でぬかるんでいる場合が多い。そこで、出芽直後の苗箱58箱を一度に運ぶために、歩行用コンバインの走行部を利用した苗箱運搬台車を開発した。

 台車に荷台を取り付け、パレット固定用のフックとピンをセットした。また、コンバインの刈り取り高さ調整用の油圧装置を利用して荷台の高さを調整できる構造にした。

 (3)苗載せ台用ホイストの構造

 移植時に圃場へ苗箱を運搬するために、軽トラック用苗載せ台を使用している。しかし、軽トラック等がハウス内に入れない場合がある。

 そこで、軽トラック用苗載せ台を苗箱運搬台車にセットし、ハウス内で苗を積み込み、軽トラックのところまで運搬し、苗載せ台ごと軽トラックヘ積み込むための電動ホイストを利用した回転式の4点支持荷揚げ器を試作した。

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