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特集

水稲育苗の技術と経営
遅れた機械化をどう克服するか

 使用方法は、フック防き吊り上げチェーン(4点)を苗箱運搬台車上の苗載せ台にセッ卜し、ホイストで持ち上げる。トラックを下方に移動させ、人力により苗載せ台を90度回転させ、トラックに積み込み、吊り上げチェーンを取り外す。

 一般的な電動ホイストでは1点支持であり非常に不安定である。本器の特徴は4点支持にし苗載せ台のバランスをとったことと、苗載せ台吊り上げに自由に回転できるようにしたことである。

(4)使用方法と性能

 苗箱運搬機を使用しての播種~出芽器への積み重ね作業は、

ア、播種した苗箱を2列ずつ29箱、苗箱 運搬機の荷台に載せたパレットに積み重ねる。
イ、苗箱にガイド棒、固定枠をはめ込み、運搬機を出芽器に密着させ固定する。なお、荷台の高さと出芽器の搬入高さをあらかじめ調整しておく。
ウ、積み重ねた苗箱をパレッ卜ごと移動用ベアリングを利用して出芽器に送り込む。
エ、出芽時には、逆に出芽器から苗箱を58箱ごと引き出し苗箱運搬車に積み込む。

 出芽器1基当たりの能率は、

ア、苗載せ用パレッ卜へ積み重ね:1時間36分
イ、苗箱固定:6分
ウ、苗箱運搬機移動:10分
エ、出芽器へ搬入:6分
オ、次回積み重ね準備:6分となった。出芽器ヘー箱ずつ積み重ねる作業に比べ、作業空間の広い場所でできるため、屈曲した作業姿勢も改善され、労働強度は軽減された。

 出芽後、

ア、出芽器と苗箱運搬機を密着、固定させる。
イ、積み重ねた苗箱をパレッ卜ごと移動用ベアリングを利用して出芽器から苗箱運搬機に苗箱を58箱ごと電動小型ウインチを使用して引き出す。
ウ、苗箱運搬機と苗箱運搬台車の荷台の高さを揃え、苗箱を載せ替える。
エ、フックとピンで固定し、硬化ハウスヘ運搬する。

 苗箱運搬台車を使っての出芽器からの搬出、緑化・硬化ハウスヘの運搬、箱並べは(写真(10))、作業時間2時間12分、延べ作業時間で6時間36分と、慣行作業体系の延べ作業時間8時間44分に比べ、25%短縮された。

 慣行体系では、一輪車に10箱ずつ苗箱を積んで硬化ハウスへ出芽器1基当たり 48回運搬していたものが、運搬台車を使用すれば8回となり、労働強度が大幅に軽減された。

 作業全体では、慣行作業体系の延べ作業時間14時間23分に対し、新作業体系の延べ作業時間は12時間48分となり、約10%省力化された。

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