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土門「辛」聞

コメ先物市場のしくみを大解剖!!取引価格は既得権益を崩せるか



 両取引所は、昨年12月「コメ先物試験事業のご提案」を公表した。漫画で分かりやすく解説した、目から鱗のような資料である。両取引所のホームページから簡単に入手できるので、先物取引について未体験者は、まずこの資料から目を通すことをお奨めする。先物取引をやったことはない筆者も、何を隠そう、この資料でイロハのイを覚えた。

 現物取引との違い――、ここを理解するのが先物取引の1丁目1番地だ。先の資料に目をやろう。ポイントは次の2点。

 ポイント1:「半年後や1年後などの未来に、商品を引渡し又は、代金を支払う契約です」

 ポイント2:「契約の履行の仕方が2つあります。1つは、実際に商品を引渡し、代金を受け取る方法(受渡決済)、もう1つは差額決済(現金決済、差金決済)による方法」

 なかんずくポイント2は、これこそ先物取引の肝の部分だ。現物取引では、モノのやりとりだけだが、先物取引では、モノは動かさずに、カネだけの取引もある。それが差額決済ということだ。コメ先物取引は、コメを対象にした金融商品でもあるということをまず理解しておこう。


コメ先物は金融商品だ

 コメを金融商品にするために、「標準品」という概念を用いた。世界で最初に先物取引を発明した大阪・堂島のコメ商人は、それを「建物米」と呼んだ。今風の表現では「指標銘柄」のことで、別の説明では「架空の売買基準銘柄」、バーチャル商品と呼ぶようなものだ。

「建物米」という概念を持ち込んだ堂島のコメ商人――、ノーベル経済賞級の大発明を18世紀前半に成し遂げていたという点で脱帽ものだ。今ならビジネス・モデル特許を取得して、ジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットのような名だたる投資家達から特許料を手にすることができたかもしれない。
 それはさておき、標準品という概念を持ち込んできたのは、金や銀のような工業品と違う点に着目したからであろう。金の場合なら「純度99.99%以上の金地金」という品質で取引の標準にすることができる。コメのような農産物は、産地や品種によって差がありすぎて、取引指標にするには無理が出てくる。そこで「建物米」というものを発明し、取引の指標銘柄にしたのだ。

 その標準品を、東穀取は「関東コシヒカリ」(栃木、茨城、千葉産)、一方の関西商取は「北陸コシヒカリ」(福井、石川県産)にした。先物取引の未体験者は、だいたいここらで目が点になってしまう。

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