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【GAPレポート】
「GAP Japan 2011トークセッション」安全安心は当たり前?ブランド戦略におけるGAPへの取り組み?
- 編集部
- 2011年08月22日
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今、産地の販売戦略として、農産物のブランド化がさかんに行なわれている。そのブランド戦略にGAPはどう実践されているのだろうか。シンポジウム「GAP Japan 2011─日本のGAPの今がわかる─」(55頁・囲み参照)における「産地の販売戦略・ブランド戦略とGAP」と題したトークセッションでは、ゼスプリ社の「ゼスプリゴールドキウイ」やサンファーマーズ社の「アメーラトマト」など農産物ブランドのGAPに対する取り組みが紹介された。
■出席者
「ゼスプリゴールドキウイとJAの取り組み」
・吉丸美有子 ゼスプリインターナショナルジャパン 商品部長 - 日本・アジア生産品
・峯田泰稔 JAえひめ中央 営農部 生産指導課 課長
「アメーラトマトとサンファーマーズの取り組み」
・稲吉正博 サンファーマーズ 専務取締役
・ コーディネータ:岸憲正 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 総合支援部WING戦略 グループリーダー
・ 話題提供:武田泰明 日本GAP協会 専務理事
ブランドに安心安全は不可欠
「この5年間で農業は大きく変化しました」とコーディネータを務めた日本政策金融公庫農林水産事業本部グループリーダーの岸憲正氏の言葉からトークセッションが始まった。「農協を窓口とする貸し付けの割合は激減し、個人への直接貸付の割合が大きく増えました。売上が1億円以上の農家も1.5倍に増えました。それだけ大規模な農家が増えたということです。農業の大規模化により、生産から加工、販売、流通などのバリューチェーンも多様化しています」(岸氏)と農業金融の立場から農業界をめぐる変化を語った。大規模な農業経営では、複数の生産者が参加し、独自の販売戦略で売上を伸ばしている。その戦略の最大の武器がブランドによる商品の差別化だ。ゼスプリゴールドキウイもアメーラトマトも複数の生産者による商品で、そのブランド戦略により農産物の認知度を高めている。両者とも「ブランドに安全安心は不可欠」と声をそろえ、GAPを導入している。
ブランドのシステムづくりにJGAPを活用
ゼスプリゴールドキウイは、ニュージーランドのゼスプリ社のキウイフルーツのブランド。黄色い果肉が特徴だ。2001年から日本での契約栽培が始まった。現在では、愛媛県と佐賀県の3カ所の生産地で約700名の生産者が契約栽培している。08年にJGAP導入への取り組みがはじまり、11年7月に団体認証を取得した。
「すべての農場で、生産システムを統一しています。このトータルなシステムがブランドの前提となっています」(ゼスプリインターナショナルジャパン商品部長の吉丸美有子氏)。このシステムの中に、JGAPの導入も含まれる。GAPへの取り組みは、3カ所の生産地で同時に3年がかりで行なわれた。「生産者の人数が多く、しかも高齢者が多いためGAPを理解してもらうまでが大変でした」(同)と当時を振り返る。講演会や勉強会を繰り返し、1年がかりで導入キャンペーンを行なったという。2年目はマニュアルづくり、3年目でやっと実践、審査にこぎつけた。
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編集部
GAPレポート
世界80カ国の5万農場がグローバルGAPの認証を取得するなど、GAP認証制度は世界中に広がっている。わが国でも日本GAP協会のJGAPをはじめ、自治体や流通業者ごとのGAPが普及しつつあるが、その取り組みは緒についたばかり。適正な農場管理を実現し、競争力ある経営をもたらすツールとして、GAPをめぐる動きを報告する。
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