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今年の市場相場を読む

夏場に売り込みたい野菜 セルリー、アスパラガス、ゴーヤー、トウモロコシ

夏場は、食味のいい冬場と異なり、おいしい野菜が少ないが、それでもこの時期にこそ向くものがある。さっぱりした食味の洋菜類などだ。品目によっては周年供給されているため、産地移動の関係から必ずしも入荷のピークでないものもあるが、夏場こそ売り込んで、もっと消費を拡大させたいものである。一方で夏場は、生産そのものが難しく、産地が限定しがちだ。それでも、固定概念にとらわれず、栽培にチャレンジしてみると意外な適地が発見できたりする。8月は学校給食の需要がなく、全体的に相場は軟調の時期だが、小売販売を活性化させることでしっかり価格形成をしたい。

セルリー 産地が切り替わる3月にピーク。みずみずしい食感の夏向き野菜

【概況】

 東京市場のセルリーは、周年を通じてほぼ一定数量が入荷しているが、なぜか3月にピークがある。冬から春先までの静岡、愛知、福岡産に加え、春の産地である千葉、茨城の出荷が重なるためだ。一方、6~10月は長野の独壇場で9割以上のシェアを持つ。夏場は北海道、東北、冬場も香川産があるにはあるが、ごく少ない。輸入品は米国産を中心に年間切れ目なく入荷しているものの、シェアは1~2%に過ぎない。


【背景】

 年間を通じて入荷がコンスタントなのは8割以上を占める業務用需要があるためだ。少ないながらも輸入品が安定して入荷しているのも同じ理由から。例年3月にピークを迎えるのはスーパーなど小売業界が同月にそろって春のフェアを打ちだすことと無関係ではない。売れるかどうかは別にして、セルリーは品ぞろえとして必要であり、さらに産地も多いだけにフェア価格にはめやすいこともある。夏場の長野産は価格戦略が堅固でやりにくいか。


【今後の対応】

 セルリーのみずみずしさは夏にこそふさわしい。中華風のいため物もいいが、店頭でのメニュー提案は簡便な調理のものが望ましい。キュウリ、ニンジン、アスパラガスなどとともにスティック野菜で手軽に食べられ、浅漬けの素を使えば瞬く間においしい漬物になる。最近では長ナスの一本漬けと同様、セルリーの漬物は居酒屋でも売れ筋メニューになりつつある。シェアの高い長野が音頭を取るべきだが、東北産地が存在をアピールするのもいい。

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