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【編集長インタビュー】
アグリテックをアジアNo.1の農業資材展にする
- リード エグジビション ジャパン株式会社 代表取締役社長 石積忠夫
- 第81回 2011年09月22日
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業界団体が仕切っていた見本市・展示会に風穴を
昆吉則(本誌編集長) 来る10月13日~15日に千葉・幕張メッセで開催されます第1回国際農業資材EXPO(通称アグリテック)は、日本初の農業資材の大規模な展示会ということで、大きな注目を集めています。御社は東京国際ブックフェアや国際宝飾展など、国内だけでなく世界でも広く知られた様々な展示会・見本市を主催されています。一般的には農業は衰退産業と見られているわけですが、にもかかわらず御社はなぜ農業資材の展示会を開催しようとされたのでしょうか。
石積忠夫(リード エグジビション ジャパン(株)代表取締役社長) 当社では年間63本の国際見本市を開催することを目標に掲げており、将来は100の産業分野の展示会を開催したいと考えております。今回のアグリテックの開催については今年1月に急遽決まったものですが、実はその前から農業資材の展示会を開催してほしいという要望が数多く寄せられていました。
昆 どのような方から寄せられたのですか?
石積 国際フラワーEXPO(IFEX)および国際ガーデンEXPO(GARDEX)の出展者からです。
昆 IFEXはフラワー業界の展示会、GARDEXは主に園芸資材分野の展示会ですね。
石積 そうです。IFEXは今から8年前から開催し、多くの出展者と来場者を集めてきました。そこから派生する形で5年前にGARDEXも開催しました。その中に農業資材を扱う業者の枠を設け、一部出展いただいていましたが、その方々から「プロ農家と商談できる農業資材の展示会を独立した形で開催してはもらえないだろうか」というリクエストがあったのです。また、両展示会への来場者も見ますと、農業従事者の数が伸びていることも確認できました。農業の大規模化、法人化、異業種参入など農業界に大きな動きが出てきて、全国には有力かつ投資意欲のある農業経営者が生まれつつあるにもかかわらず、農業資材メーカーが効率的に営業できる機会、また反対に農業経営者が新たな農業資材と出会う機会がなかったわけです。そこで出展者と来場者、それぞれのニーズを満たすべく、私たちが全力でお手伝いしたいと考えて、アグリテックを開催するという決断に至りました。
昆 石積社長の著書である『正直者はバカを見ない』(ダイヤモンド社)を大変面白く読ませていただきました。日本にはない見本市・展示会産業を作ろうとして、ご著書の表現を借りれば「権威も影響力もない」石積社長が様々な展示会を開催し、成功を収められてきたその歩みは、一起業人・商売人の非常に学ばせていただくものがありました。石積社長が展示会ビジネスを始められる以前は、日本における展示会は民間企業が主催するケースはなかったそうですね。
石積 ええ。かつては見本市・展示会の権限を持ち、全責任を負う主催者というのは業界団体でした。たとえば東京モーターショーの主催者は日本自動車工業会という自動車メーカーで構成される団体です。そして、広告代理店やイベント会社は業界団体から一部業務を受注するという仕組みが日本における見本市・展示会の仕組みになっていました。
昆 石積社長の立場ですとおっしゃれないことも多いので、代わりに私がしゃべってしまいますが(笑)、企業がメンバーになってしまったとしても業界団体ということでまとまると、どうしても内向き、保守的になってしまいます。天下り先にもなる場合も多く、自分たちの都合であり、霞が関の方を向いて物事を考えてしまう傾向が強いのは否めませんね。そういう構造の中に、単身乗り込んで行かれたわけですから、当然強い反発もあったでしょう。
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石積忠夫 イシズミタダオ
リード エグジビション ジャパン株式会社
代表取締役社長
1943年新潟県長岡市生まれ。66年慶應義塾大学法学部卒業。文具メーカーでの米国駐在などを経て、86年リードエグジビション ジャパン㈱を設立、代表取締役社長に就任。国際宝飾店、東京国際ブックフェア、国際フラワーEXPOなど様々な産業分野の新規見本市・展示会を立ち上げ、同社を日本最大の見本市・展示会主催会社に成長させる。日本展示会協会会長も務める。著書に『正直者はバカを見ない』(ダイヤモンド社)。http://www.reedexpo.co.jp/
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