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“被曝農業時代”を生きぬく

ニューヨーク発「原発事故時の農業対策プログラム」入手!“農業者には農産物汚染から国民を守るミッションがある”

前号連載への反響は大きかった。なかでも米国の農家向け原発事故対策について詳しく知りたいとの要望が多数を占めた。しかも、今回の事故の影響をさほど受けていない地域からの問い合わせが目立った。「日本政府の対応は杜撰過ぎる。米国の情報を参考に今のうちから県や市町村の対して、事故を想定した計画と対策を求めていきたい」などの声だ。そこで今回、ニューヨーク州発行の「農業集落のための放射線緊急事態情報」を紹介する。

 前号連載への反響は大きかった。なかでも米国の農家向け原発事故対策について詳しく知りたいとの要望が多数を占めた。しかも、今回の事故の影響をさほど受けていない地域からの問い合わせが目立った。「日本政府の対応は杜撰過ぎる。米国の情報を参考に今のうちから県や市町村の対して、事故を想定した計画と対策を求めていきたい」などの声だ。

 そこで今回、ニューヨーク州発行の「農業集落のための放射線緊急事態情報」を紹介する。ニューヨーク州に限らず米国各州では原発事故時の対応について、小冊子やホームページ上で情報公開されている。また、平時から地元の農業改良普及センターにも担当者がいる体制になっている。詳細は、以下の翻訳に譲るが、特記すべきは事故発生時、汚染地域の農業者は政府の緊急要員に任命される点だ(宇宙人から侵略を受けたときのハリウッド映画さながら、名もなき一般市民が突然、重要なミッションを与えられる、あの構図だ)。その前提として平時から、「国民にとって重要な食料を汚染から保護する重要な使命が農業者にはある」との認識が米国政府にあってのミッション発令である。

 震災から半年、農業者は被害者でありながら、一部の消費者から放射能汚染を広げる加害者との誹りを受ける立場に置かれている。被害者として農業界がいくら団結しても、この動きは変えられそうもない。個別農場の対応方法は様々ある(特集をご覧いただきたい)。

 有事の際、日本、そして国民にとって農業界のミッションとは何なのか、考えるためのヒントとしても活用いただきたい。


『農業集落のための放射線緊急事態情報』

 この小冊子は、近隣の原子力発電所における万一の放射線緊急事態に、農業関係者の皆様がお持ちになるであろう疑問にお答えするために作られました。農業関係者の皆様には必要に応じて助言を行なえるよう、州と郡の緊急事態管理担当者が協力し、包括的な緊急対応計画が作成されています。農業関係者(農家、食品加工業者、流通業者)については、乳製品や農作物の保護に重点を置き、50マイル(80km)圏内の皆様を対象としています。 緊急時には 訓練を受けた対策チームが事態に対処し、住民をサポートすることになります。ご自身やご家族を守るために資料をお読みになり、緊急時の対策について理解しておいてください。また、放射線緊急事態にはご自身、ご家族、従業員の皆様が何をするべきか、事前に計画してください。詳細については、農業改良普及センター、緊急事態管理事務所、またはニューヨーク州農業・市場局にお問い合わせください。


【放射線緊急事態とは?】

 放射線緊急事態とは、原子力発電所からの放射能の偶発的放出を言います。家畜や農産物の品質と市場価値に悪影響を及ぼす可能性があります。このような事故が万一起きた場合、農家の皆様には以下の予防措置を講じていただく場合があります。

(1)乳畜を屋内に移動し、飼料や水を確保する(2)可能であれば、他の家畜もシェルターに移動し、備蓄飼料と非汚染水を与える(3)屋外の飼料は覆いをするか、屋内に移動する(4)家畜用に少しでも多くの水の備蓄に努め、井戸、天水桶、タンクに覆いをする(5)汚染区域から持ち込まれた農産物は徹底的に洗浄し、汚染にさらされた葉物野菜の外葉を切り取る(6)屋外での作業時には、一時的に保護服(農薬散布時に用いるような)を着用する(7)汚染地域内の農家の皆様には、必要な予防策を追加してお知らせします。


【放射線とは?】

 放射線とはエネルギー形態のひとつで、発生源によって自然放射線と人工放射線に分けられます。自然放射線源には太陽、土壌、建築資材、食品があります。人工放射線源にはX線撮影装置、カラーテレビ、煙探知機、原子力発電所等があります。放射線の影響は発生源に関わらず同様です。過度の放射線照射は有害である場合もあります。


【放射能汚染とは?】

 放射能汚染とは、放射性物質が不要な場所に存在することを言います。農業における主な懸念は、食品や水資源が汚染される可能性です。さらに、放射性物質に直接触れた人や動物は、健康上の問題が生じる可能性があります。


【緊急事態の発生をどのように知るのでしょうか?】

 急事態が発生した場合、原子力発電所から50マイル圏内の農家には、以下のいずれかの手段で通知されます。

(1)緊急警報システム(EAS)によるメッセージ(2)電話(3)戸別訪問による通知(4)携帯メールの一斉配信(5)さらに、サイレンや緊急警報ラジオ局が各発電所から10マイル(16km)以内に設置されています。サイレンは大きな高音が途切れなく響きます。サイレン音が3分間聞こえたり、緊急警報ラジオのメッセージが聞こえたりした場合は、直ちに緊急警報システムのラジオ局に合わせて下さい。EASのメッセージは地元ラジオ局でも発信される場合がありますが、各原子力発電所の主たるEASラジオ局は次の通りです(編集部注:省略。地域別に3つの局の周波数が記してある)。

【緊急事態に何をするべきでしょうか?】

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