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【高橋がなりのアグリの猫】
八百屋って難しくて面白い! 農業の次に偏差値高いかも?
- 国立ファーム(有) 代表取締役 高橋がなり
- 第53回 2011年09月22日
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八百屋の2・3号店をオープンしてやっと5カ月が経ち、1号店もまだ1年経っていません。結果は予想通りに惨憺たるものです。レストラン部門は当初、話題性・集客力に関しては良かったものの素人経営で赤字の連続だったのですが、八百屋部門は単純に売上が立たないので赤字です。デパ地下に出店した「たまプラーザ店」と「渋谷店」は1日に20万円の売上を損益分岐点と計算したのですが、現在は10万円を前後している状態です。値引きとロスが売上低迷に引きずられて増えており、結果粗利率20%でテナント料と人件費(社員3名で回しています)と諸経費を足すと毎日3万円の赤字、1カ月で100万円近い赤字が出ています。「二子玉川店」は同じく店員3名体制ですがスーパーの中の一角で農家の台所コーナーとして展開しているため青果卸として契約しているので、それほどの赤字ではありません。
負け惜しみではありません! だから始めた価値があるのです。農業を始めた時と同じです。スーパーなら100円で買えるキャベツを苗木代だけで98円で買って手間暇かけても育てられなかったから、農業に興味を持ったのです。簡単にできない仕事を選び、もがき苦しんで成長する自分や社員の姿を楽しみたいから農業に挑戦しているのです。難易度の高い農業という産業で成功するため、またその難易度を下げるために関連する青果販売も始めたのですから、その八百屋もそう簡単にできるはずがないのです。素人が始めて1年足らずで結果を出せるような職業を続ける気は毛頭ありません。「意外と面白いじゃないか八百屋」という気分です。野菜のレストランを制覇して、八百屋・総菜屋を制覇して、青果卸を制覇して、足腰を鍛えて川下の環境を整えてから最難関の農業に本腰を入れることは、まさに“急がば回れ”ってことになるでしょう。
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高橋がなり タカハシガナリ
国立ファーム(有)
代表取締役
1958年生まれ。専門学校卒業後、佐川急便にてドライバーを経験。その後テリー伊藤に見込まれ、「元気が出るTV」などのディレクターを務める。30歳で起業するも、二社の経営に失敗。三度目の正直でアダルトビデオメーカー「ソフト・オン・デマンド株式会社」を設立。10年で100億円企業にまで育て上げて引退する。2006年4月に「青葉株式会社」を立ち上げ、農産物の生産から流通、販売まで一貫して取り扱う「国立ファーム設立準備室」を青葉株式会社内に作る。過去にNTV「マネーの虎」に出演して一躍注目を集めたほか、『サイゾー』『Big tomorrow』『Ray』『R25』『フロム・エー』など多くのメディアに登場。人生を切り拓く独自の哲学が若者のみならず多くの人々の共感を得る。著書に『がなり説法』(インフォバーン)、『がなり流!』(青春出版社)、『社長の遺言』(インフォバーン)などがある。
高橋がなりのアグリの猫
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