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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
日系米国人の教え
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第41回 2011年09月22日
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米国のファストフード店で見かけた“施し”
「2番目は大切よね~」。何を意味するかは、読んでからのお楽しみ。
さて、米国に着いて1週間、そろそろ92歳の日系2世のスーが作る家庭料理も飽きてきたので、私の大好物メキシカンでも食べようかなと考えていた。やはり元仏教徒・日本人の教えを学んだ真髄である以心伝心なのか、カソリックのスーがランチにメキシカンのタコを食べたいと言うので近所のファスト・フードチェーンのタコベルに行くことになった。お昼前の早い時間だったのであまり込んでいない店内に入り、オーダーを済ませ2人で席に座り待っていると、不思議ちゃん系老人がラインに並んでいるお客と少し離れて様子を窺っていた。
ん? BH(ビミョー・ホームレス)かな? と思わせるその老人が客のいないカウンター越しにいる女性店員に片手を上げた。どうもお互い顔見知りの様だ。BH老人は、すまんね~ポーズで30秒くらい待つと、店員はどう考えてもメニューにない簡単な食事とドリンク・カップをその老人に差し出した。お恵みをいただいた老人はそれらを手に取り、何食わぬ顔で店を出てどこかに去って行った。カウンター越しの店員はその後も素知らぬ顔でメキシカンを話し接客を続けていた。周りの客もいつものことと理解しているようで、テーブルに座っている客も嫌な顔もしないで平然としていた。これには米国社会に余裕を感じた。貧しい社会は貧しい人たちに富を与えることはできないが、豊かな社会は富の再配分が可能のようだ。
お客が「ビッグマックを100個」とオーダーして、店員が「店内ご利用ですか?」と聞くのはマニュアルだから仕方ないが、このような場合、マニュアルはどうだろうか? 米国ではなく日本での話だ。もし対応マニュアルがなかったら、日本はやはりまだ貧しい国だと言うことになるかもしれない。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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