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今年の市場相場を読む

秋が本番、勧めたい根菜 ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ

秋は土物類や根菜類の収穫期である。原則的に土物類は年に1回の収穫でそれを長期貯蔵しながら売るが、根菜類の多くは周年需要に対して産地リレーで供給される。ともに秋から冬の煮物需要に対応するための作型を持つ。鍋物や煮物は団らんのイメージがあり、今年の場合は震災後の“絆”意識の高まりで、温かい煮物料理に消費者志向が向きそうだ。根菜類は「日本的な野菜=伝統料理」といったイメージに加え、俗に「根っ子のものは体を温める」などともいわれる。昨年の異常気象によって今年まで影響を受けている品目もあるものの、震災後の自粛ムードを払拭すべく提案販売を強化したい秋だ。

ダイコン この秋の関東産は豊作を予想。おいしい食べ方の訴求もカギ

【概況】

東京市場のダイコンは9月から急増して冬に最需要期を迎える。秋は、夏場を受け持つ北海道、青森産の最後と、春までを引き受ける主産地・千葉産の始まりが重なるが、需要期はこれに神奈川産が歩調を合わせる。今年の場合、4月に千葉産の相場がやや低迷するも入荷量は前年実績をキープした。これから冬場に向けて作柄に問題はなさそうで、潤沢な出回りとなってくる分、販売に工夫が必要だ。

【背景】

葉物類で放射能汚染問題があっただけに東北のみならず、関東産も敬遠ぎみの安値が目立った。その分、土物類や根菜類にはこれまでそれほど深刻な影響が出なかった。夏場は北海道や青森産だったが、秋からは千葉産が主体になってくるため、3~4月にかけての相場低迷が秋にも、ということにならないかが心配である。これからの関東産の野菜類は総じて豊作傾向で、消費を刺激する販売を工夫しないと暴落商状も懸念される。

【今後の対応】

コンビニ関係では今年は夏からおでんの販売に力を入れている。売れ筋のネタであるダイコンにとってはうれしい状況だ。最近の中心は煮上がりの早い青首系で、手早く煮たきできるのが特徴だが、おでんなどの煮物はいったんたき上げてから冷ますと煮汁がダイコンに浸み込んでさらにおいしくなる。いわゆる“鍋底ダイコン”だ。そんなプロの技を教えるのも今の消費者志向に合っている。秋が早そうな今年は早めに仕掛けたい。

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