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独断注目商品REVIEW

四輪クローラが開く新トラクタ需要

2009年の12月に佐賀で行なわれた有機物循環農法研究会の実演に登場した、「おむすび」型クローラを装備したジョンディアのトラクタが話題を呼んだ。ホイールトラクタの車体に、通常のタイヤの代わりにそれぞれ三角形のクローラを装着している。広がりつつある「四輪クローラ」トラクタに注目してみた。

トラクター用クローラ ラバートラックシステム

 2009年の12月に佐賀で行なわれた有機物循環農法研究会の実演に登場した、「おむすび」型クローラを装備したジョンディアのトラクタが話題を呼んだ。ホイールトラクタの車体に、通常のタイヤの代わりにそれぞれ三角形のクローラを装着している。広がりつつある「四輪クローラ」トラクタに注目してみた。

 このクローラの提供元は、カナダのソーシー・インターナショナル社。78年設立当初は、北米のスノーモービル市場向けのゴム製トラック(クローラ)を製造していた。その製品ラインを大幅に拡大し、今や世界に幅広くレクリエーション、工業、農業、軍事分野へ部品及び付属品を提供するメーカーに成長している。


130~200馬力クラスの海外製トラクタの弱点克服に

 同社の農業向け「トラックシステム」は、海外製のホイールトラクタをクローラトラクタに変身させる画期的なアイテムだ。それもホイールの車軸にクローラのアタッチメントを装着するため、足回りの変更だけで取付け作業が完了する。

 これまで、国産トラクタは水田、湿地での作業をターゲットにクローラトラクタの市場が開拓され、ホイールトラクタとは別に独自の開発が進められてきた。車体や足回りの構造、操作性、走行の安定性や牽引力は、それぞれ異なる特長を持つ。ユーザーは圃場や農業経営スタイルに合わせて、ホイール、フルクローラ、セミクローラからトラクタを選べるようになっている。クボタのパワクロは135馬力、井関農機のセミクローラが117馬力、フルクローラが三菱農機の135馬力、と100馬力以上クラスのラインナップはあるが、以前の160馬力クラスは中古でしか扱われていない。

 一方、150馬力以上、さらに200馬力近くの大型機を求める農業経営者に対して、海外製はクローラトラクタの選択肢が少ないことが弱点であった。前述の国産機と合わせても、130~200馬力クラスにはクローラトラクタが幻の存在なのである。超大型のチャレンジャーやジョンディアクラスのフルクローラ以外に選びようがなかったのだから、この弱点克服に貢献した点、評価に値するのではないだろうか。

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