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エクセレント農協探訪記

三カ日町柑橘出荷組合を設立、徹底した品質管理が成功の鍵 三ヶ日農協 静岡県

 ちなみに農協資料によると、ミカン園の平均耕作面積は2・7haという規模の大きいミカン園もある。平均的なミカン園で労力は2・5人から3人。これで平均粗収入、つまり農家手取りは1650万円あるという。所得率が50%として半分は経費に消えてしまう。残り半分の800万円から900万円が純利益となる。

 いま、三ヶ日町のミカンは端境期にある。20年前に青島への品種切り替えが進んだため樹齢構成が若いからだ。全品種の樹齢は5年生までが19・5%、10年生までは19・1%。青島の場合は10年生以下の樹齢が50・5%という構成だ。未成木が半分近くあるため収量は伸びないが、この時期を過ぎると単収も上がってくる。これにコストダウンを実現すれば、60%ぐらいの所得率を確保することは夢ではない。これが農協の計算だ。

 農協の営農指導は営農部柑橘課が担当、1・8haの試験圃場もある。出荷組合の品質管理体制に呼応すべく技術指導も徹底している。担当の山村新平課長は、「農協の技術指導と出荷組合の選果と販売は車の両輪のようなものです」とたとえる。

 青島温州を導入した時もそうだった。柑橘課は、導入時に1本1本個体調査を実施してきた。品質的に問題ある不良木はすべて淘汰することを決めた。木のチェックには農協の専門技術員6名が、苗木を植えて実がなり始めた時に1本1本チェックする。

 山村課長の説明では、木を1本1本丹念にチェックする農協は他産地でもないということだ。チェックを受けていない木から収穫されたミカンが、共選場に持ち込まれても、出荷組合から「これは青島温州では扱えない」と判定されてしまう。


傾斜地の園内道整備


 三ヶ日ミカンにとって今後の最重要課題は、省力化のためのミカン園の基盤整備にある。具体的には大型の防除用スピードスプレーヤが走れる園地の整備である。山村課長によると、全国のミカン産地で導入されたスピードスプレーヤは約500台、このうち三ヶ日町農協管内には86台導入されている。山村課長の説明では、「三ヶ日町はほとんど気象災害がありません。それに比べ他産地は台風など天然災害を受けています。その差がミカン農家の所得向上に結びつき、農家の投資意欲を支えてきました」という。

 そのスピードスプレーヤは、1台450万円ぐらい。園内道を走るので園内道の整備も必要となる。急傾斜地が多いミカン園の園内道は等高線に従って作らなければならない。費用もかかるが専業農家は土木作業に欠かせない小型ユンボを持っている。

 スピードスプレーヤ導入のメリッ卜は計り知れない。山村課長の説明では、まず農薬散布の労力が5分の1になり、効果的な農薬散布が可能なため農薬散布量も半分で済む。低農薬の高品質生産が可能になる。

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