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施設園芸のいろはのいの字-施設園芸を新規に始める人のための資材の見方と選び方

保温被覆材

室内被覆


【室内カーテン】

 固定張りの欠点は、日中と夜間の変化への対応、また天候変化にも完全に応じた設備とは言えないことだった。そこでこのような外部環境の変化にすみやかに対応でき、またそのために人手のかからない内張りカーテンが開発された。

 展開方法により、1層張り、天井1層+側方2層張り、2層張りがあり、2層張りでも2層を同時に開閉する1軸2層張りと、2層それぞれを別々に時間差をつけて開閉することのできる2軸2層張りとがある(図2)。さらに3軸3層も特注で設置することができる。

 また閉じる方式も、軸に巻き取ることで行う巻き取り式と、カーテンを重ねるようにして寄せ集めるスライド式とがあり、大面積ではスライド式を採用している例が多い。天井カーテンは、水平張りと傾斜張りがあり、水滴処理の点では傾斜張りがよい。

 開閉は原動機によるが、スイッチのon・offは手動、半自動、全自動とがある。全自動も、タイムスイッチだけでなく、気温、日射に応じたものもある。

 カーテンに使われる保温被覆材の主なものと特徴を表1に掲げた。また展張方法の違いによる組み合わせと被覆材の暖房負荷を小さくする程度を示した。カーテン被覆の初期にはポリエチレンが用いられたが、さらに保温性の高いものが求められると同時に、扱いやすさの追求から現在ではベトツキをなくす加工を施した塩化ビニルフィルムが主流である。

 また夜間保温を高めるため、また遮光、遮温を目的としてポリエチレンや塩化ビニルにアルミを練り込んだり、蒸着したもの、アルミをポリエチレンでサンドイッチにしたものも開発されている。

 またカーテンそのものに通気性、吸湿性があれば、さらに環境コントロールができるということで、ラブシートのような不織布を用いる例も多い。不織布の保温力はポリエチレン程度だが、室内湿度を下げることもできる特徴がある。ただし集束部が大きくなり、日陰を大きく生じてしまう欠点もある。このように透光性のあるものとそうでないものとがあるので、カーテンはできるだけ2軸2層方式にし、外部条件に即応できるようにすべきである(表2)。2軸2層にした場合のコストは、1軸1層(坪当たりおよそ6000円)に較べ、軸が1軸の1・7倍、被覆材が2倍といっか金額が1つの目安になるだろう。耐用年数は、シャフト、ドラム、電動機、操作盤等は8年、被覆鉄線・滑車は4年、塩化ビニルフィルムは2年、反射フィルム、不織布は3年程度である。


【室内トンネル被覆】

 草丈の低いイチゴや軟弱野菜、たとえばシュンギク、コマツナ、ホウレンソウ等は、ハウス内にプラスチックの骨材を半円形にしたトンネルを設置し、内張り専用の保温被覆材で覆うことでコストの低い保温ができる。(図3)

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