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今月の数字

45.2%?集落営農は個人の農業経営を阻害する

各地で地域水田農業ビジョンがスタートした。このビジョンはこれまで全国一律であった生産調整法を転換し、地域が売れる米づくりを進めるために作る設計図と言われている。この中で、生産・出荷数量が20トン以上の生産者は、ビジョンの内容と整合性をとりながら生産調整を主体的に行うことができることになる。生産の自由度は上がるだろうか?
集落営農は個人の農業経営を阻害する

45.2% (本誌読者アンケートから)


 各地で地域水田農業ビジョンがスタートした。このビジョンはこれまで全国一律であった生産調整法を転換し、地域が売れる米づくりを進めるために作る設計図と言われている。この中で、生産・出荷数量が20トン以上の生産者は、ビジョンの内容と整合性をとりながら生産調整を主体的に行うことができることになる。生産の自由度は上がるだろうか?

 本誌アンケート調査結果では、農業経営者の67%は「自分の米はまだまだ売れる、米政策改革はチャンスだ」と捉えている。しかし、「転作の地区配分は地域達成を義務付けているので困る」、「水田農業ビジョンは、ビジョン無きビジョン。地域にビジョンはない」、「地域ぐるみの生産調整面積目標が求められる」、「自分も町の素案委員として出席してきたが県の指導のもと、独自のビジョンなんてほとんどなかった。国の段階と町村の段階でかなりの食い違いがあるようだ。自由なんてありえない」など、生産の自由度が低いと考える回答が続々と寄せられた。水田農業ビジョンは地域の起爆剤になっていくのだろうか。

 問題は、地域レベルで未だに生産調整の目標面積が存在することだ。産地づくり対策の交付金は、地域協議会の区域において、作付面積が目標面積を超過した場合は、その超過度合いに応じて減額されるのだ。こうなると、いくら米政策改革がチャンスだといっても、米の規模拡大は地域でのパイの食い合いにつながり、即自由生産ということにはならない。

 そして、集落営農の問題である。アンケート結果では、きちんと経営が成立できるように集落営農を引っ張ることのできる、明確なリーダーがいると答えた農業経営者は全体の20%だった。これから競争が激化する中で、自らの経営責任を明確にできない集落営農は淘汰されていくのではないか。農業経営者は地域を思わない訳ではない。ただ、担い手だ、集積だと言いながら、本来の競争では市場から退出すべき、本人たちも生産を望んでいない層を集落営農という形で無理やり温存する一方で、やる気のある農業経営者の健全な成長を縛っている状況に苛立ちを感じているのではないだろうか。

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