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農業経営者のための農水・JAウオッチング

動き出した農業基本法見直し

時の政治状況を意識した行政、農業団体の公式見解と彼らの本音。建て前の言葉に振り回されない農業経営者のための農政展望として、一般紙経済部記者にメディアにのらない霞ヶ関(農水省)・大手町(JA)の陰の声を報告してもらう。
幅広い議論が成否のカギ



【基本法見直しに対して農水省は】

 戦後農政を支えた農業基本法の見直し気運が高まっている。全国農業協同組合中央会(全中)など関連団体や、自民党、社会党などの農林議員、生協などが水面下で見直しに向けて動き始めている。これに対し農水省は「まず国民的な盛り上がりが必要」として動きを静観している。同省側の本音としては「まだまだ動きが鈍い」(同省幹部)といったところ。全面的な改正に繋がるかどうかは、今後の世論動向にかかっているようだ。

 基本法見直しが公式に表明されたのは、昨年8月に首相の諮問機関である農政審議会がまとめた報告「新たな国際環境に対応した農政の展開方向」。報告では、基本法に関して一項目を設け

(1)農工間格差の是正、農作物の選択的拡大、規模拡大、自立経営
(2)食料の供給、食品流通加工など「食料」という視点の導入
(3)新政策の農政推進上の位置付け
(4)農業・農村の多面的機能の評価などの観点から「改正の要否も含め検討すべき」とし、改正に向けて事実上の宣言を下した。

 農政審報告を受けて、政府が同10月に策定した「ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱」でも「農業基本法に代わる新たな基本法の制定に向けて検討に着手する」と述べており、改正への流れが定着化した。


【動き出した全中】

 こうした政府側の動きに呼応して、徐々にだが全中も内部での検討を開始した。首脳によれば、全中は食料・農業・農村を見据えた基本法の策定を求める方向。具体的には第1条には

(1)食料の確保と国内農業のあり方
(2)人口の急激な増加や砂漠化の進展などによる国際的な食料事情

などを踏まえ国内農業の基本的役割(安全な食料の安定供給)と多面的役割(国土・環境保全、地域社会の維持)を明示し要求する。

 また、第2条には、政策的枠組みと自給率の目標も示すことが必要という。さらに「日本型直接所得補償(デカップリング)につながるような条文」(同首脳)も求めていく方針だ。

 全中ではすでに、生協など消費者団体などと連絡を取り合っている一方、豊田計会長が経団連の豊田章一郎会長とも非公式な定期協議を開催するなど、水面下の動きを進めている。

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