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種子販売自由化前夜

民間企業・団体による水稲育種・販売の最新動向

 これまでにみつひかりの栽培を行なっているのは、茨城県、千葉県、埼玉県の圃場で、気候、土壌、また栽培者によって当然ばらつきはあるが、トータルでは15%くらいの増収が実績として上がっている。耐倒伏性の強さともあいまって、安定した多収が確保できるという点がウリである。

「コシヒカリが植えられず、ほかに良食味の品種が見つからないという場所で多収をめざすのに好適。当面は九州地区への浸透を目標にしているほか、長野県などで多収品種を考える人にも向くと考えている」(藤井氏)

 種子販売の詳細は未定だが、三井東圧化学の肥料、資材の販路がそのまま販売チャネルとして活用されることはほぼ間違いない。

 また、水稲種子販売に乗り出している他社と同社との最も大きな違いは、ユーザーに組織的購入・栽培を購入の条件として求めていない点である。したがって現時点では収穫物の販売方法もまったくユーザーの裁量で行なわれるものと考えられており、栽培規模の大小等に関係なく、基本的に志のある者は誰でもこの種子を購入し、栽培できる。こうした体制は、自家採種が事実上不可能なRゆえに可能なものだとも言える。

 現在は種子の価格も未定だが、当然コシヒカリ等の“官営”品種のようにキロ数百円といったレベルよりは遥かに高価にならざるを得ない。しかしそのコストの差額が、この品種の多収性によってまかなわれるような値づけにはなるはずである。

 同社は今後も当面は、その“多収性” に力点をおいて育種を進める方針で、現在すでにみつひかりの次にくる品種開発が大詰めを迎えている。これは3003という系統名で、3割の多収性とみつひかりを超える食味が開発目標となっている。この種子は平成8年栽培分から試販される予定である。


既存優良品種の交配で育種 各地で奨励品種指定めざす
(日本たばこ産業)


 日本たばこ産業(株)の場合は、従来の水稲種子販売・収穫物流通の流れから一足飛びに独自の販路での種子販売をめざすのではなく、各県での奨励品種に指定されることで、品種としての地位確保をめざしている。このため同社は、在来の優良品種同士の交配により各地域に合った新品種を数種開発し、地域ごとにこれらを対応させていく方針である。

 同社が水稲育種に着手したのは昭和63 年からで、種苗、肥料、水耕装置、農薬の開発・販売を行なうアグリ事業部がこれに当たっている。直接に水稲育種を手掛けているのは遺伝育種研究所(静岡県磐田郡)で、もともとはタバコを中心に研究を行なってきたが、民営化以後現在は、野菜、花弁、イネ、一般作物の研究開発を同時に進めている。

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