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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

私はこうして借地する

周りでは「地域の団結が大切だ!小さな農家を大切にしないとダメだ!」などと、どこかの政党のようなことを言うが、本音は土地の所有者に1万2000円(1反あたり)の小作料のみを支払い、残りの産地つくりのお金をいただこうとする。そして、最後には、「オレはお前(宮井)と同じやり方はできない!」と本音が出る。

確かに、このやり方は耕作者にとっては金銭面で有利だが、土地の所有者にとっては収入が減り、農業者のプライドを捨てさせるなど、心温かいシステムとは言い難い。

では、私はどのような農家の土地を増やしたのか。実はこのやり方には独自のテクニック、条件がある。

基本的に、土地の持ち主である主人には嫌われていた方が都合良い。しかし奥様には嫌われてはいけない。行動を開始時刻は夜6時30分。「土地を貸してくれませんか?働いてコメを作ってナンボ残りますか?」と金額を前面に出し本音で話す。

「産地づくり交付金はすべてあなたの物です、働かないで460万(10ha分)残した方が良いとは思いませんか? 私がこのお金を支払うと言ったら信用しませんよね? 日本国政府がクリスマス・プレゼントに払うのですから、間違いないですよ」

このような場合、ご主人は「ん~」とうなるだけで結論を出さない場合が多い。でも、台所でコンコン♪と包丁を使って夕食の準備をしていた奥様の「お父さん、いい話じゃない。託しみたら?」の一言で決まり。

すべて決断するのは女性の方だ。なんと男の頼りないことか。

決まる時は5分で決まるが、奥様が納得しないと、何時間話し合いをしても無駄だ。

というわけで、私が6時30分ころ、あなたの自宅にお邪魔した場合は、もしかして……。

ハッキリ言って、男は役に立ちませんね。プライドの問題なのか、それとも女性が金銭感覚に敏感なのか? しかし奥様が理解されても、後にその話は聞いていないと言われ、農協の圧力で白紙になったことももちろんある。

現実は農業委員会がOKを出す前に、農協がハイと言わない限りは農地の賃貸、売買が円滑に進まないのは事実だ。文句の一つも言うが基本的には金融機関としての色合いが強い、現在の農協組織の反対を押し切って進めても無駄なこともある。

「そんなことはない! 親しい間柄であったら、もっとスムーズにいく」だって? もしあなたが勝手に冷蔵庫を開けても文句を言われないぐらい親しい関係の農家に、「オレにお前の土地を安く貸せ!」と言えますか? 嫌われているかがどうかの問題ではなく、相手の生活を考えて土地の購入、借地をしなければ相手は信頼してくれない。

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