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特集

農産物貯蔵庫カタログ
差別化と勝ち残る品質管理のために

■品質の向上とともに重要な鮮度維持の知識


 ところで、「顔見知りの安心」を売る庭先販売や引き売り、有機低(無)農薬栽培などの「いわく付き農産物」の販売、あるいは地域伝統的産物の商品化など、むしろ小規模(近距離あるいは個別的)だからこそ「商品性」が際立つ農産物の生産・販売の形もある。産直を含めた個人・集団を問わぬ多様な農産物マーケッティングの可能性は、今後ますます増大するであろう。

 しかし、現在のそうした小規模流通での生産物品質管理、鮮度維持に対する配慮は、決して高いものとは言えない。消費者側の要求レベルは高くなって当たり前。通常の青果物流通では当たり前の鮮度維持が、付加価値を付けたはずのこうした小規模流通において行われていないとしたらおかしいのではないか。

 例えば、萎びた虫喰いだらけの「無農薬野菜」を切実な思いで買ってくれるお客さんが、今仮りにいたとしても、その上にあぐらをかいて「萎びた生鮮物」を「有機・無農薬野菜」と称して売り続ける生産者がいるとしたら、彼は鈍感なだけでなく職業人として類廃しているとしか言えない。そして顧客もやがてそれを許してはくれなくなるだろう。系統組織や市場からの強制としての品質管理でなく、顧客に選ばれ求められるためにこそ必要な品質管理として、もっとこの問題は問われるべきである。

 一方、これからお米の産直は厳しい営業環境にさらされるようになる。「米余り」状況のなかで顧客を安定的に確保するためには、精米技術の高度化とともに低温保管による貯蔵米の品質管理のレベルが問われるようになると思われる。「縁故米」をお友達としてお裾分けするならともかく、精米のレベルも低く、石抜きも満足にしていない程度のお米なら、いかに低温貯蔵したところで顧客はそんなお米を安定的には買ってはくれない。業務用としての低温貯蔵庫の導入に当っては、機種選択以前に自分自身の経営が、「作る」だけでなく「売る」主体としての要件を満足し得ているか否かを、まず自ら問うべきだと思う。


Ⅰ 玄米貯蔵庫 お米の貯蔵・保管

穀温15℃以下、湿度70~80%に保つ


 自家飯米用であれ販売用であれ、お米の長期貯蔵で最も留意する点としては、「食味の保持」「害虫、病気、カビ発生防止」などが重要で、これらのいずれもが温度、湿度に左右される。そのため、貯蔵庫の導入に当たっては、モミ貯蔵・玄米貯蔵にかかわらず、これら2項目に重点を置いたものを導入することが肝要である。

 すなわち庫内温度は米の特性から、穀温を15℃以下にするため13~14℃に設定できるものが最適で、高すぎると害虫の繁殖や呼吸量が活発になり食味の低下につながる。しかし、極端に低くすると設備費や電気代が高くつく。また湿度は、お米の適正水分含有量を15%に保つためには、庫内湿度が70~80%に維持されることが必要で、庫内に結露の発生のない設計のものを選定することも重要だ。湿度が低いと乾燥してもろくなり、また高すぎるとカビの発生を招くことになる。なお、種モミの保管の場合は発芽を押さえるため、30~40%前後が適切である。

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