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旅の曲者

中国は変貌する

初めて目にした中国の光景は、もう二十年数年前、飛行機の窓から見下ろした黄砂にくすむ北京の町だった。倉庫のような長い建物が褐色の大地をはっていた。住宅と思しき界隈も黄砂に覆われ、何もかもが大地に呑み込まれそうに見えた。
 ヨーロッパに向かうパキスタン航空機はトランジットで北京の空港に着陸した。がらんとした空港待合室の壁には山水画の掛け軸が掛かり、その下に売店が設けられていたが、ショーケースはほとんど空っぽだった。人民服の中国人たちの談笑が、何もない待合室の空間に吸い込まれていった。何とも言えない空虚なけだるさ。それが中国の第一印象だった。

 当時の中国は、まだ文革の余韻覚めやらぬ時代だった。

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