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耕すということ

草地更新「土・草・牛」の基本を取り戻せ!

「安物買い」の草地更新になるなかれ


 クリーン農業、減肥、減農薬と言うからには、牧草にもそれを当てはめるべきである。改めて草地管理や更新についてそのあり方を考究し、実施する段取りをつけることが望まれる。

 草地更新は費用がかかり過ぎる。したがって簡易更新法がベターであるとか、いろいろな試みが見られる。一口に言ってこれはナンセンスである。なぜなら安物買いの銭失いと同じことで、何の手当てをしないよりはよいとしても、そこから多くの効果を期待することは無理だからである。

 前述したように、草地には宿根性の雑草が多くなっている。これを消滅させるには、ロータリティラをかけるようなことでは目的を達しない。むしろ根を分割することで、草種によっては、繁茂を助長することもあり得るのである。

 除草剤を使えばよいとする考えもあろう。これも浅はかである。堆厩肥による河川汚染が問題化しているときに、上流で除草剤を使用することは、ゴルフ場の農薬問題と同じように世論が黙ってはいないだろう。しかも牧草は、家畜が直接口にするものなのである。ベトナムの枯葉作戦と同じであると言われないまでも、この場合、除草剤を使用してよい雰囲気にはないといえる。

 どうすれば宿根性雑草を絶やすことができるか、この点についてはあまり深刻に考えなくてもよい。要はボトムプラウによる深耕反転鋤き込みによって目的を達するのである。ダイオウもシバムギも25cm以上鋤込まれることによって再生することはない。

 写真を参考にされたい。カバーボードが一般化している現代にあっては、昔のように特殊な形態の草地プラウではなくとも、表層部をきれいに反転鋤込みをすることはできるが、より完全にするために2段耕プラウが開発されている。

 前装プラウがメインプラウに先行し、表層を10cm程度の深さで耕起する。これかれき底に圖くように鋤込まれる形になり、最下層に位置することになる。メインプラウは、先に表層部が耕起されているので、深耕が容易であり、根が絡んでいないことから砕土にも効果的に作用する。前装プラウの堰を無理なく覆い、ここに完全な反転鋤込みが成立する。砕上が充分に行われているので、この後の砕土整地の負担を少なくしている。

 宿根性雑草の多い草地の更新は、35cm以上の耕深が望ましい。雑草を25cm下に鋤込むためには、それだけの耕深が必要だからである。あまり宿根性雑草が多くなければ30cmで充分であろう。

 30cmの深さは、深すぎると考える人が多い。大きな動力を必要とするとか、我が国は下層上の化学性が劣悪であることが多く、かえって土壌をだめにすると指摘する。

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