ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

施設園芸のいろはのいの字-施設園芸を新規に始める人のための資材の見方と選び方

正しい潅水施設の知識

 地中点適法は点澗チューブを作物の根の活動する範囲の地中に埋没してしまうもので、果樹などの永年作物に導入されているようです。

 特徴としては、地表にチューブがないので、作業中、障害物にとらわれずに済みます。しかし、埋没作業と水の吐出口状態を肉眼で確認できないことが問題としてあります。とはいえ、信頼性の高い埋没専用の耐久性の良いチューブがあるので、今後、果樹や茶樹、緑化樹木の濯水施肥に変革をもたらすと考えられています。


葉上散布法


 葉上散布法は、頭上潅水と称して、塩ビ管にノズルを一定間隔で取りけけたものを、ハウスの棟下に設置するものがあります。これはハウス内潅水や凍結防止に使われるのですが、水滴が大きく、水のボタ落ちによる土の固結、表面流法による水のムダ等があります。この問題をなくすため、ミストあるいは細霧という細かい水滴を発生させることのできる散水ノズルが開発されました。

 これは、夏期の高温から作物を守る目的で使われ、同時に水分供給もするというものです。夏のネギ、ホウレンソウなどは葉面温度が上がってしまい、そのことによる障害が発生します。花き類も同様です。

 またこのミストは土を固めることが少ないことから、さし木床やポッ卜育苗にも好適です。細霧は、散水目的というより、冷房効果が主目的で湿度を与えながらできるという面から夏期の洋ラン栽培に普及しています。

 以上は潅水方式についての基本説明ですが、この水を送り込むポンプについては、その規模により、潅水面積全体を一度に実施してしまうのか、少しずつ分けてリレー式に応じていくのかにより、その配分や関連機器までもが必要となりますが、ポンプの使用例としては、口径40mmのもので、毎分300Lから500L ぐらい、所要馬力が3~7ps程度の規格のものが多いようです。

 これはまた原水の供給能力との組み合わせともなります。

 また、濯水設備の必需品にフィルターがありますが、これは少し容量の大きい、しっかりしたものを採用すべきです

(図表資料一 「施設園芸装置と栽培技術」板樹利隆著より)

関連記事

powered by weblio