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エクセレント農協探訪記

組合員自身が今後の方針を選択 独自の販売部親切に踏み切った

独自に販売部を新設


 羽田組合長が掲げる「組合員に農協を選別してもらう」は、組合員から選別されるにたり得る農協組織を作り上げることが伴わねばなるまい。その考えに基づいて、羽田組合長が打ち出しだのが「農協独自の販売部を新設したこと」である。

 長野と並んで農協王国の宮崎は、単協と連合会の結び付きが強固である。しかも両者の役割分担は明確だ。経済事業では、単協の役割は組合員から生産物を集めること、連合会はその生産物を有利に販売することだ。単協が独自に販売部を新設することは、従来の役割分担を根底から崩しかねない。羽田組合長は、このことをあえて承知で、今年4月に販売部を新設する形で一石を投じた。

 「まず自分で作ったものを自分で売ってみたい。これはぜひとも実践してみようと思い、販売部を作りましたが、経済的にはペイしないでしょう。販売活動を通じて、物流的な問題とか、代金回収の問題とかのノウハウが修得できれば、それはそれでメリッ卜があるんです。今の単協には、集出荷機能があっても、生産物の販売機能はありません。それができない単協が、組合員を回って生産物を農協に出してくれとお願いしても説得力がないんですよ。組合員の共感が得られないんですね」

 単協が、独白に販売部を新設することは、系統三段階制の根底を崩すことになりかねない。このことを羽田組合長は心配しているし、県内の農協関係者にもそうした懸念がないといえば嘘になる。そうした事情を気にしてか、羽田組合長は「組織を維持する立場の正論派ですよ」と前置きして、「これまでほとんど系統一本でやってきたが、最近はうまみがなくなっており、こんなことがいつまでも続くと、いずれ連合会と単協のそれぞれの機能分担の見直しが必要だと思い、機能分担の見直しが連合会サイドでどうしてもダメなら、単協でやるしかないと考えるに至りました」と説明する。

 西都農協の農畜産物の年間取扱高は、平成6年度で141億円、そのうち園芸が88億円で62%を占める。次いで米が25億円で17%、畜産22億円の15%となっている。園芸を品目別でみると、主産品のピーマンが44億円、ハウス栽培のキューリとニラがそれぞれ10億円。農畜産物の取扱高は、経済連の取扱額(1666億円=平成4年度)の8%強。県内21農協の中でもトップクラスだ。

 主産物のピーマンの独目販売に踏み切ると、経済連には驚天動地のショックを与えかねない。農協の方針は、経済連には影響の少ないマンゴーやキンカンなどの小物からスタートさせる方針だ。今回の販売部新設は、改革に向けて腰をあげようとしない連合会に叱咤激励の意味を込めた愛のムチとも受け取れないこともない。組合員に浮気を封じておいて、単協が連合会以外の相手と浮気はできないと、いかにも篤実な宮崎県人らしい行動だ。

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