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独断注目商品REVIEW

夾雑物の処理機構で作業能率が向上&低コスト+簡易な設備で高収量・高収益をはかる

バッグカルチャーシステム(ブルーベリー)

 ブルーベリーの消費が拡大している中、ブルーベリーをバッグ(コンテナ)栽培する技術が普及し始めている。栽培に必要なものは、(1)特殊培地、(2)点滴かん水設備、(3)養液ポンプユニットの3点。

 このシステムを提案しているのは、ブルーベリーの苗木を輸入販売しているオーシャン貿易(株)。(株)プランツ(福岡県)が資材を提供し、園芸技術コンサルタントの嶋本久二氏の技術指導で西日本を中心に利用が広がっている。

 このシステムで使用されるブルーベリーの効能を追求した品種で、日本国内での栽培適性と収益性を考慮に入れ選ばれている。これまでブルーベリーは冷涼な気候を好むと思われていたが、西南暖地でも栽培が可能な適正品種があり、オーシャン貿易ではそうした品種も含め産地に適した多様な品種を取り扱っている。

 このシステムでは、バッグの中の培地に粒状フェノール発泡樹脂を使う。フェノール発泡樹脂とは、花屋などで切花を挿すスポンジ状の成型物と同じもので、それを成型せずに耐紫外線加工を施している。保水性、排水性ともに優れ、重量も軽く、バッグ栽培の培地としては最適であるという。灌水と施肥はバッグの上を這う点滴チューブで行う。これにより、スプリンクラーや散水ノズルを使用した場合に比べ、水や液体肥料が無駄になる事がない。

 ブルーベリーの根は、(1)酸性を好む(2)酸素要求度が高い(3)乾燥を行う(4)細根が浅く張る――という性質を持っている。

 この条件に対してバッグ栽培システムは、バッグという独立した環境であるためpHや肥料組成の調整がしやすいこと、同時に地下深くに根を張らせないこと、粒状フェノール樹脂の培地が通気性と保水性に優れていることなど、ブルーベリーを効率的に栽培する上で必要な環境が整っている。バッグ栽培だと3年目の夏から収穫が可能(一般の土耕では5年目の夏から収穫が可能)という利点もある。

 同システムによるブルーベリー栽培に要する経費は、自動の溶液供給装置を設置すると、そのコストのために10a規模では300万円近い費用を要し割高になる。しかし、1ha規模の栽培となれば、10a換算で120万円程度の初期投資で済む。

 利益的には、仮に現在の冷凍果実並の価格(500円/kg)であっても、1haの栽培なら2600万円以上の粗利益が取れると、オーシャン貿易で試算している。


■参考価格・・・20a(400株)5,000,000円が目安(消費税別)
【オーシャン貿易株式会社】 グリーン事業部 〒615-0022 京都市右京区西院平町25
TEL:075-314-8733
FAX:075-313-6150
http://www.oceantrading.co.jp/

(昆吉則)

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