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【次世代リーダーの誕生】
原発事故で地元の支持のなさを痛感 消費者と目線を合わせるために
- (株)照沼勝一商店 代表取締役社長 照沼勝浩
- 第3回 2005年02月01日
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2000年9月30日、東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー東海事業所で放射能漏れ事故が起こった。国内初の臨界事故で、30万人以上の住民が避難に追い込まれる事態になった。マスコミも大きく取り上げ、茨城県産の農畜産物の販売を見合わせる動きが全国的に広がった。
「またか」―勝浩の頭には、3年前の動燃東海事業所再処理工場の火災爆発事故の記憶がよみがえった。
だが、再び始まるであろう風評被害を憂える以上にショックだったのは、地元の消費者の支持がなかったことだ。事故後、村内のあるスーパーで勝浩はこんな張り紙を見つけた。「当店では20km圏内で生産された農産物は扱っておりません」―消費者に安全性をPRするゆえのものだったのだが、村内の生産者には衝撃的な文句だった。
「こういった事故が起こった後は、地元の消費者が支えてくれるものだろう」と期待していただけに、勝浩のショックは小さくなかった。
「またか」―勝浩の頭には、3年前の動燃東海事業所再処理工場の火災爆発事故の記憶がよみがえった。
だが、再び始まるであろう風評被害を憂える以上にショックだったのは、地元の消費者の支持がなかったことだ。事故後、村内のあるスーパーで勝浩はこんな張り紙を見つけた。「当店では20km圏内で生産された農産物は扱っておりません」―消費者に安全性をPRするゆえのものだったのだが、村内の生産者には衝撃的な文句だった。
「こういった事故が起こった後は、地元の消費者が支えてくれるものだろう」と期待していただけに、勝浩のショックは小さくなかった。
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照沼勝浩 テルヌマカツヒロ
(株)照沼勝一商店
代表取締役社長
1962年、茨城県生まれ。県立東海高校卒業と同時に、(株)照沼勝一商店の仕事に従事する。2004年9月、代表取締役社長に就任。茨城県最高品質農産物研究会会長、茨城中央ほしいも協同組合理事長、(一社)ほしいも学校理事のほか、今年10月に設立された茨城県ほしいも協議会の副会長を務める。50haで自然栽培によるサツマイモを生産する。
次世代リーダーの誕生
「後継者不足」や「農業人口の減少」とは関係なく、新しい経営感覚で農業ビジネスの確立を目指す若き経営者たちが確実に育ちつつある。次世代の農業をリードする彼らが就業当時に何を思い、どう経営観を確立していったかを、数回の連載の中で語っていく。
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