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カルチベータのアタッチメント 「m・AROTリーチ」
あらかじめ定めた畦幅や株間にきちんと播種されていれば、管理作業もしやすくなる。しかし、現実にはそうもいかないだろう。
その管理作業の一つである機械除草では畦幅の大きなずれは許されない。作物を損傷する恐れがあるからだ。
近年、「精密農業」という名の下にGPSを搭載した無人トラクタやカメラを搭載した作業機の試験・研究が日本でも進められているが、市販化となれば金額も膨大に上ることが容易に推測される。
一方、精密農業を機械的な装置で実現できれば、コストや耐久性を考えても大きなメリットが生まれてくる。
こうした観点から開発されたのが、日農機製工のカルチベータ「草刈るチ」のアタッチメント「m・AROTリーナ(まろっとりーな)」だ。振り子の原理を応用したきわめてシンプルな機構で、電気や油圧を介していないので故障の恐れも少ない。
一般に、機械除草は装置の調整やトラクタのオペレーションを誤ると作物を損傷してしまったり、それ自体を引き抜いてしまったりと、オペレータの能力に大きく左右される。
また、この機械に限ったことではないが、作業機がトラクタの後方に装着されるため、畦に沿って作用しているかどうかを目視しなければならない問題もある。こうした背景からもオペレーションを補完する対策が求められていた。
構造は、湾曲したバーの両端に前後2本ずつのスプリングタインを備え、このバーとT型のバー(注)の連結部が左右に振れるようになっている。これを作物の植わった畦に通すことで、常に畦の中心を追従しながら機械除草ができる。
傾斜地や曲がった畦の他、2畦で播種や移植作業をした、隣りの畦との間隔が合っていないところで最も効果を発揮する。つまり、機械の調整さえしておけば、あとはまっすぐにトラクタを走らせることだけを考えればよいのだ。
この技術が他の機械にも活用できるようだとさらに世界は広がってくるだろう。価格は25万2000円(税込、特別価格、北海道価格)。(永井佳史)
■日農機製工(株):〒089-3727北海道足寄郡足寄町郊南1-13、TEL:01562-5-2188
注……カルチベータのアタッチメントの一部である「くまでビーム」のこと。ここでは、カルチベータ本体と「m・AROTリーナ」をつなぐ目的に使われる。
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