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- 編集部
- 2005年05月01日
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播種床の改善が高品質なジャガイモを生む 新ジャガイモ栽培システム
ジャガイモの栽培では、培土の内部に石や土塊が混ざっていると、収穫時の選別作業が困難となったり、傷や打撲の原因になるなど、効率だけでなく、収入にも大きく響く。
日本、とりわけ北海道の露地栽培における培土では、培土器を使って作業するのが一般的だ。ただし、萌芽したころから始める「めくら培土→半培土→本培土」といった一連の工程で少なくとも3回は圃場へ入らねばならない。そのことがトラクタのタイヤによる踏圧を生み、土塊の発生や排水性の悪化を誘因しているのではないかとかねてから指摘されていた。
一方、ヨーロッパでは播種床の造成の段階で石と土塊を畦間に除去してから播種と同時に培土する体系が主流となっている。簡単に説明すると、まずベッドフォーマという2畦のリッジャーにサブソイラの付いた機械で溝を造った後、ポテトディガを大きくしたような機械(セパレータ)で山の部分から石と土塊を取り除いて溝(畦間)に落としていく。それから深植ポテトプランタで植付けしながら後方にある成形板で培土するという流れだ。
培土の内部から石や土塊が除去されるので、収穫時の選別作業も楽になり、人手をかけずになおかつ能率も高められる。肝心の塊茎も障害物のない生育環境の下で肥大が均一化し、収穫時の傷や打撲といった問題も回避できる。また、深めに植付けされているため、塊茎が緑化することもまずない。
他方、石や土塊を圃場から排出せずに畦間に残しておくことで地温の上昇や排水性の向上などの効果も得られる。
これらの作業機の中には、英国ピアソン社から輸入、販売しているものも含まれる。主に石礫地帯を対象としていたが、最近ではそれ以外の地域でも導入が進んでいるようだ。
今後の農業情勢を考えれば、作物の品質と収量の両面に寄与し、なおかつ省力化が図れるこうした機械は当然必要とされてくるだろう。ただし、費用対効果に見合わなければ意味がない。その観点からすると、冒頭で触れた培土器や若干値の張るロータリーヒラーでも作業を工夫すれば対処できる部分もあるはずだ。
総合的に判断で、個々の経営に即した作業体系の構築や機械への投資を考える必要がある。。価格については、すべての機種をそのつどの見積もりとしている。
(永井佳史)
■東洋農機(株):〒080-2462
北海道帯広市西22条北1-2-5
TEL:(0155)37-3191
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