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特集

農業機械カタログの読み方
原動機・トラクタ編

メーカーがカタログに掲げている数値などの標記(表記、公称、呼称、ノミナル)は、その責任をメーカーが持つものである。したがって農機の購入や経営へ折り込む選択などのとき、また作業中の故障防止や効率的利用、寿命の長い活用、結局は経済性の高い運用を可能とするには、カタログをフルに利用して特徴や性能などを克明に把握、理解する知識が重要であることはいうまでもない。
 メーカーがカタログに掲げている数値などの標記(表記、公称、呼称、ノミナル)は、その責任をメーカーが持つものである。したがって農機の購入や経営へ折り込む選択などのとき、また作業中の故障防止や効率的利用、寿命の長い活用、結局は経済性の高い運用を可能とするには、カタログをフルに利用して特徴や性能などを克明に把握、理解する知識が重要であることはいうまでもない。ときにはその標記の表現が微妙であったり、あるいは「裏を読む」くらいの対応が必要なこともあるかもしれない。

 そこで、すでに耳慣れた陳腐な用語も多いと思われるが、あえてそれらの概念の再確認などの意味を含めて記し、しかもできるだけ「実用的な話」を心掛けた。とはいえ紙面の都合上からの舌足らずや筆の走り過ぎはご容赦を願う次第である。

 今回は「原動機・トラクタ」を取り上げ、次号でコンバインや播種機・移植機などさまざまな作業機等を取り上げる予定である。


原動機


(1)エンジン

 共用にする単体形(古くは農発)と、農機に搭載、直結の専用形がある。前者は据け、移設が容易などの必要性から通常十馬力(ps)クラス以下が多く、後者は携帯形の一馬力に満たないような小形から百馬力を越える大形が用いられ、現在は後者が大半を占める。


【[1]主な種類と特徴】

(1)4サイクル式と2サイクル式

 いうまでもなく吸気、圧縮、燃焼(動力発生)、排気の「周期」をピストン4行程(2往復)で完了するのが4サイクル。2サイクル式は2行程(1往復)、1回転(4サイクルは2回転)で完了する。したがって2サイクルは4サイクルの2倍の動力発生頻度があるから小形でも比較的大きい出力のものが造りやすい。携帯用のように軽量小形化の点からは高回転も得やすいことなどもあって、都合がよく、構造も簡単で安価。ただし効率は4サイクルより悪く、音も大きく、燃費も多い。 

(2)ディーゼル(圧縮点火機関)とガソリンエンジン(気化器付点火機関)

 ディーゼルの著しい長所は効率が高く、燃費が良い上に、通常燃料が安価。したがって長時間重負荷の作業向きといえる。短所は通常重く、頑丈にできてはいるか高速の小形軽量の携帯用高速ガソリンエンジン等には適わない。また精密な燃料噴射機構などが必要で高価となりやすい。ガソリンエンジンはおよそその反対の長所短所をもつと思えばよい。

(3)気筒(シリンダ)数

 据けや搭載の点から大きいものは多気筒形となり、防振上の利点もある。多気筒の短所は構造複雑、単筒より燃費も少し劣化し、価格も高い。といっても大形を単筒には(実用上、形や振動などの点から)できない。

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